放課後は 第二螺旋階段で

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2017年の特筆曲リストは進歩の限界点

(以下の記事は2018年10月段階で完成させる事が事実上不可能になったため、草稿状態のまま公開します。95%は2017年12月段階で執筆済みの内容です)

 毎年恒例となった「今年の特筆曲リスト」シリーズ。しかし、この年はお気に入りの曲を Last.fmのLoveトラックに打ち込む作業を怠っていたため、集計が事実上不可能になってしまいました‥‥。そのため回収できた楽曲がある程度貯まる度に執筆・更新を行う分割方式を採用しています。*1

 基本的な好みとしては、これまでになく進歩や変化のない1年でした‥‥正直に言ってかなり憂鬱な状況です。

 ここまで来ると先に進むには自分がミュージシャンになるしかないとさえ感じています。リスナーとしての音楽理解が完全に限界に達しており、よほどの名曲でない限り編曲と自分の相性でしか差がつかないんですよね‥‥。

 そのような状況でも、未来への足場固めのためにエントリ制作しました。


 今年のベストミュージシャンを一人選ぶなら、米津玄師であるのは確実です。2015年段階でもトップクラスの才能でしたが、そこからさらにもう一ステージ上にたどり着いた感があります。

 動画満載で非常に重い記事のため目次より下は畳みます。

*1:twitterチェックは遡り8月13日まで。「-」でしか検索していないのでshazamとyoutuで遡るとまだ出るはず。

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古い昭和の航空自衛隊を追体験 「スクランブル 警告射撃を実施せよ」田中石城

 かや書房から1997年に発売された『スクランブル 警告射撃を実施せよ』の2014年文庫化です。

 防衛大学出身すなわち管理職中心でありながらテストパイロット資格を持ち、航空幕僚部副監察官(安全主任)のち航空安全管理隊・航空事故調査部運航調査科長、教育研究部長、幹部候補生教務課長、防衛庁技術研究本部岐阜試験場長といった経歴の著者による回顧録的エッセイ集となっております。

 本書は普通の戦闘パイロットではなく安全・事故調査の専門家が書いた本であるのが特徴なのですが、これに関してはほとんど精神論的なレベルの内容で読み応えがありません。専門的すぎる内容を避けた結果とも思いますが‥‥。『メーデー!航空機事故の真実と真相』シリーズ的な興味で読んだ私的には残念でした。

 現役戦闘機パイロットだった F-86F や F-104 の時代が中心の記述となっています。BADGEシステムがない手計算と音声誘導時代のソ連機迎撃におけるコンタクトの難しさが見てとれ、昔の空自の雰囲気が分かる一冊です。


気になったポイントメモ

  • 長時間にわたるソ連爆撃機(Tu-16など)迎撃中、受け持ち交代を地上で待つ間は「コクピットスタンバイ」となる。この場合、食事も飛行機に乗ったまま。
  • F-104導入時は沖縄返還前のため防空領域が一段狭い。
  • F-104のナサールレーダーは North American Serch And Ranging Radar の略称。特に深い由来がある訳ではないんですね。単にノースアメリカン製というだけ。
    • 編隊を組む際に二番機が「Tied on Scope and Visual」(レーダースコープと目視で捕捉した)とコールするのがかっこいいです。
      • 夜間にアフターバーナーの炎を目印に「Tied on Visual」すると推力を絞った途端に見失うという情景が印象に残りました。
  • ナサールはBADGEシステムと連結してレーダースコープ上に丸いマークを表示し動かす事で方位・高度・速度を指示できる機能付き。これが出現年代を考えるとなかなかハイテクな印象を受けます。
  • 与圧服を使用した迎撃ミッションのエピソードが掲載されています。装備するのにかなり時間がかかりそうですが、超高々度・高速・日本に向かって飛来中のターゲットをレーダーサイトが探知した段階で距離に関わらず早めに準備をすれば間に合うようです。(この本では北朝鮮の打ち上げた気象観測用ロケットだった模様)
  • 空自の戦闘機が飛行中に海自の艦艇を見かけたときは「奇襲」をかけて対空戦闘訓練を行わせたという話が出てきたのですが、これは海自側で実際に対応していたのか気になります。著者が海自幹部の親戚に会った際、通常の対空訓練は決まり切った手順を行うだけで効果が薄いため、模擬攻撃を行って欲しいという趣旨の事を言われたようですが。
    • 空海連携としては、空自の戦闘機が訓練中偶然シュノーケル航行中のソ連潜水艦らしき影を見つけたため連絡し、感謝されたというエピソードも。
  • 有名なMiG-25亡命事件でアメリカからすぐに「ミグ屋」がやってきて分解方法などを指示したというエピソードがありますが、このチーム具体名とアメリカ側からの回顧録を読んでみたいものです。そもそも空軍所属?CIA所属?NSA所属?
  • 戦闘機の警告射撃は曳光弾の火が弾底部から出ているため、撃っている側からはよく見えても撃たれている側からは思いのほか見えにくいという話が気になります。
  • さらっと出てきた「マクドネル・ダグラスの技術者いわく F-15 はフラップ不要だが空軍の要請により後付けした」という話は本当!?
  • さらに、ネット検索でXOH-1偵察ヘリの試作開発にも関わっていたというきわめて興味深い情報を得ました。
  • この記事は個人戦記・回顧録を一つの年表に統合する作業のテスト版として作成しました。

著者略歴

 この項は他の航空自衛隊関係者の本を読んだ際に突き合わせるためのデータです。

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