強烈な酸性雨や火山灰で何もかもが灰燼に帰そうとしている世界で、骨董品店をしている主人公のお姉さんがモノに込められた人の思い「虚数値」を読み取り、その思い出を辿るサイコメトラーものな漫画。
モノへの人間の思いはどうやってもモノに定着したりはしないし、モノに思いが定着するという考えは人間の停滞に繋がるという意思が最近反動的に強くなっているぼくなので、考え方そのものはあまり好きになることができないけれど、それでも「おはなし」としてホッとできるから好き。
稀少だけれどもただ寝かせておいただけのコレクションは無価値で、大量生産の工業製品でも愛用されれば高価値に。そういうアニミズム的な感覚が数字になる世界って、心が具体的に救われる感覚があるから良いね。
あと、印刷が黒でなくかなり青っぽい色だったのですが、これって自分が買った分だけ?全部共通だとしたら、著者の指定なのかな?
著者について
- 漫画家兼社長という忙し過ぎそうな状態のひとで凄い!
- 絵柄が近代的な割りに年齢が結構高くてビックリ。(失礼!)