放課後は 第二螺旋階段で

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「博士の愛した数式」 小川洋子

博士の愛した数式 (新潮文庫)
Amazon.co.jp: 博士の愛した数式 (新潮文庫)


博士の記憶は、80分しか持たない。
目覚めたときには、自分が一体どうなっているのかも、分からない。
それでも
数学は絶対
数学は完全
数学は永遠
だから、世界とつながっていられる。


この小説は、そんな博士と家政婦とその息子の交流物語。
物語としては、あまりにも前向きでいい人一直線すぎる感じで、ちょっと印象が薄いです。でも、数学だけで世界と繋がっているという感覚そのものが面白い。
最高に綺麗な教養小説



自然対数の底「e」が持っている意味は、この小説での説明を読んでやっと理解できました。
10進法とは別の世界を規定する数字。そして、虚数「i」や円周率「π」といった異世界の数たちと結びつくことで、自然数の世界にやって来る。
この数式は、2つの世界を1つに繋ぐ力を持っていて凄い。
「非ユークリッド幾何学」というものが存在しているということを知った時のような、新世界の気持ちよさ。


自分は幾何学のほうが好きで、数論のほうは意味が全然分からなかったけれど、これでやっと面白さが分かりました。


自然対数の底「e」の意味が分かったと書いたけれど

それの特徴が一番はっきりと出ている「オイラーの等式」の証明が分かるか、というと全然分からないのでやっぱり駄目だ。。。
オイラーの等式 - Wikipedia

この式は、全く起源の異なる重要な2定数、円周率(π)とネイピア数(e)が、 極めて基本的な数、0, 1, i によって結びついている非常に重要な等式である。 この予想外の調和・連関を明らかにすることから、オイラーの等式は、"人類の至宝 " とも呼ばれる。

今は時間に追われて数学を学んでいるけれど、できればもっと気長に深く数学を学びたい。これを簡単に理解してしまうくらいに深く。