放課後は 第二螺旋階段で

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「すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER」 森博嗣

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&M
Amazon.co.jp: すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&M

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。

 自分がどうも好きになれないジャンル「ミステリィ」の本を珍しく読了。この著者は「ミステリィ以外全部が面白い」という逆打ちの読み方をしているので、はてなリングにまで入っているのに、今まで「S&Mシリーズ」も「Vシリーズ」も一切読んでませんでした。
 この作品は「トリック自体も注意深い読者には自明な程度に易しい」とAmazon書評に書いてる人がいましたが、思いつく人はいくらなんでもちょっと勘が良すぎる想います。「すべてがFになる」の意味が分かるところまではカンタンだと思えますが、それをどう運用するのかはあまりカンタンではないと思いますから……
 そして、とてもシンプルな手法が使われていることに驚きました。これは賢い。


 トリックを見破るために、全部の問題を解きながら読んだので、最後までたどり着くのには8時間くらいかかりました。長かった。本筋とあまり関係ないところも長いですし。暗算はこれで少し得意になったかもしれない。
 最初に出てくる「1から10までの整数を二つに分け、それぞれのグループ内の数字を全て掛け合わせる。2つの積が等しくなることがあるか?」という問いは、数学で整数の問題が好きなおかげか、ほぼ自力で解けたのはちょっとうれしかったです。
 あとは、真賀田四季というキャラクターが思考的にとても気に入ったので、この次には「四季」を読みたいところ。