放課後は 第二螺旋階段で

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「ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究」 広田厚司

ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究 (光人社NF文庫)
Amazon.co.jp: ドイツの小銃拳銃機関銃―歩兵兵器の徹底研究 (光人社NF文庫)


 これは本当にタイトルそのままの内容の一冊。第二次世界大戦中のドイツ軍歩兵が装備していた小火器を網羅しています。ドイツファンなら一冊持っていると便利という具合の本。
 普通の小銃・拳銃・機関銃・自動小銃・ロケット等に加えて、マイナーな信号拳銃や対戦車銃、地雷や火炎放射器や爆薬といった工兵兵器まで掲載されているところがユニーク。


 また、当時の火器を現代になってから実射しての感想が掲載されているところも特徴です。
 「1940年代に現れたオーパーツ的高性能機関銃」というイメージがあった「MG42」については「連射速度があまりにも速すぎて弾道がひどくブレてしまうので、軽機関銃として使うのには無理がある。膨大な敵兵が現れる東部戦線ならこれで良いのかもしれないが」という旨のあまり好意的ではないコメントがついていて意外でした。やっぱり例外というものは存在し得ないのか。 


 第二次世界大戦の段階でも、発見を避けるために金属を使わない地雷が使用されていたという話は、この本で初めて知りました。
 木製、粘土製などなど様々な素材で地雷が作られていて、その中でも全ガラス製で透明な地雷「グラース・ミネ」は特に印象的でした。「透明な物が自動的に人を殺す」ってこと自体に何となく不思議さを感じます。
 「グラース・ミネ」の他にも、同じように全ガラス製の「アイス・ミネ」という地雷もあり、これは凍った河の下に置いて近寄る敵兵の圧力を感知して爆発するように設計されていたそうですが、用途限定っぷりが凄いですね。「河が」「凍っている」「その下に」「地雷を設置できた」「敵が渡ってくる」という条件がキッチリ重なるシチュエーションって一体どれくらいあったのやら……そのせいか、普通に遠隔操作爆弾として使われた事例も多いようです。




非金属地雷に使われていた「ガラス製信管」という機械に関する疑問と解決

 読了後、「ガラスだけで火花や高熱や高圧を出す方法がどうしても思いつかない」という理由で「ガラス製信管」の原理が分からなかったのですが、検索したらその答えが出ました。
 ガラスアンプルに薬品が入っていて、それが割れて起こる反応を使って爆発させるとのこと。

2020年09月10日追記

 全ガラス製の地雷アイス・ミネが寒冷地用というのは恐らく著者の勘違いで、実際には金属探知機回避を狙った兵器と思われる。さらに、ガラスは製造技術が樹脂より確立されている。