背景の美麗さが素晴らしい。今夕日を世界一かっこよく描けるのは新海誠では?と思えるほどに。
あふれる太陽光で目が少し眩んで、世界がその光の色でぼける表現は特にかっこいい。多用しすぎだと思いもしたけれど。そして光る雲。高い空。
真冬の朝のような澄んだ空気。少し寂れた町。
見た目の美しさとは対照的に、シナリオのほうは全く入り込むことができず「ああ、そんなのあったね」というくらいに薄い印象でしかありませんでした。
「世界を変える特異なもの」が「学校」という特異ではない一点に集中しているところが寓話的で、それなのに学校世界と全く無縁な外部世界が出てきて中途半端なリアリティを持たされるものだから、「外部世界の人たちは何故何のために生きてきたの!?」という印象が強くなって、あまりにもアンバランスすぎる話に見えてしまう。
自分は学生生活という現代日本人にとって普遍的な感覚を持っていないので、こう簡単に場を否定できるのでしょうか?