放課後は 第二螺旋階段で

「どうなるもこうなるも、なるようにしかならないのでは?」 筆者の気の向くままに書き連ねるクラシックスタイルのblogです。

伝説巨神イデオン 第14話 「撃破・ドク戦法」

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 指令隊がつめるソロシップの艦橋に食事を持ってくるフォルモッサ・リン。姉たるフォルモッサ・シェリルは「子どもは来るな」とリンを追い払おうとする。

 「姉さんなら食事抜きでやれるっていうんですか?」「そのために食堂があるんでしょう」頭が固すぎるよシェリルさん。


 一方、バッフクラン側の前線指揮官はいかにも武人といったタイプだったグハバ・ゲバから、重機動メカの開発にもかかわっていたという技術系のドクへ。


 ここから先は混乱した状態で書いているので今まで以上に意味が通りにくい文章になります。

 ドクはさっそくソロシップに攻撃を仕掛け、手強いイデオンの完全撃破は狙わず、分離状態で3つになっている機体のうち1機だけを徹底的に狙い、破片の一つでも手に入れてイデオンの性能を探ろうとする。地味で堅実。


 ドクの集中攻撃指令が出ているところで、コスモのAメカがほんのちょっと加速しすぎて突出してしまったものだから、ばっちり集中砲火をもらってしまう。

 今までわりとあっさりやられていたけれど実は運用がまずかっただけらしい重機動メカが本当の戦闘力を発揮する。

 「各員、被害状況を知らしてくれ!」とコスモ。
 しかし答えは返ってこない。

 Aメカ搭乗員はコスモ以外全員戦死。機械の隙間からぶらりと垂れ下がり腕に力はない‥‥船内を死体が漂う。


 「こいつ!動いてくれ!」
 ぼろぼろになったAメカはコスモの願いも空しく動かない。


 操縦困難になり漂流状態のAメカは重機動メカから集中砲火を受け弾き飛ばされ、そのまま小惑星に釘付けにされてしまう。その小惑星は溶岩になってしまった。殴る蹴るで壊されていた重機動メカ、実は強大なエネルギーを秘めている。


 「慌てるな。あと5秒は荷粒子砲の射撃を続けろ」「中の生体反応が消えるまで攻撃をしろ」
 技術系らしいこれといった殺意もない冷淡なドクの攻撃が、イデオンAメカの乗員を、そしてコスモを死に追いやる。

 モニターも無線機も死んだ。真っ暗。
 「ミサイルを撃ってくれ!」「通じないのか!?」死んでいる。誰も答えない。

 出撃直後は「対空戦用意!」「グレンキャノン了解!」「第三ミサイルランチャー了解!」なんて元気に答えていた者たちは皆いなくなってしまった。

 そしてその確認をとることさえできない。

 徹底的に無力。


 別働隊を突破してきたBメカ・Cメカが救援にきてAメカの捕獲阻止には成功するものの、コスモは茫然自失。他乗員は全員死亡。ドッキング指令にもソロシップへの着艦指令にも答えられず、ただ曳航されるしかないAメカ…

 それでも何とかソロシップに帰還して、連絡をつけておいた地球軍最前線要塞ブラジラーへとデスドライブ。
 

 ソロシップの面々はブラジラー基地の指揮官カミューラ・ランバンとの面会をする。

 カミューラ・ランバンはジョーダン・ベスがもっとずっと未熟だったころ教官だったという。ベスは「今はもう違う」と言うけれど。

 そんな大ベテランたるランバンはバッフクランとの戦闘経験を積んだソロシップクルーに「ブラジラー基地の装備では不十分」と言われるも「この基地の装備は十分です」と回答する。

 「その装備は何を基準に決めているっていうんですか?」
 「地球連合軍の規則で決められた量です」
 「その規則は誰が決めたっていうんですか?」

 員数主義(書類上の部隊数や装備数が揃っているかどうかだけで満足してしまって、実際の充足率や性能には無関心)の旧日本軍将校か何かかみたいな反応。

 着任直後のハルル・アジバと一緒で、実戦経験者の意見の持つ意味が実感できない。なまじプロとしての自信があるものだから。


 誇り高き軍人カミューラ・ランバンは戦闘で一度生死の境の向こう側にまで行ってしまったコスモの動揺に真っ先に気がつき声をかける。
 「コスモ君、おびえることはないのよ」
 「おばさん、優しいんだね」と受け入れるコスモ。


 ブラジラー基地内の緑地でくつろぐ2人。生死と紙一重の宇宙から離れた、つかの間の大地と安心。(前線基地でも心を休めるための緑地があるという発想が凄い)
 「俺は子どもじゃない。何だってできるんだ。一人前なんだ。みんなを守ることだってできるんだ。あの、あのバッフクランの攻撃だって……」
 母のようなカミューラ・ランバンの前で強がってみたコスモは戦闘の恐怖を思い出し駆け出す。
 ランバンはそれを追いかけ、出鱈目に走る心を受け止めるように捕まえ、二人は芝生に倒れる。
 コスモを優しく抱くランバン。

 
 ほんの一瞬の安らぎの後、バッフクランの攻撃が始まる。カミューラ・ランバンとコスモはソロシップがある戦闘区画へ移動。
 その最中ふいに、本当に偶然に、爆風で車が吹き飛ばされる。
 吹き飛ばされたコスモはバッフクランのジグ・マックを見上げる。見上げる以外何もできない。またも無力。


 一瞬して、吹き飛ばされた車の下敷きになったカミューラ・ランバンに気が付く。
 「もういいよ、コスモ君」と言うけれど、でも助けたい。見捨てるなんてできない。
 救いたい一心でランバンの身体を力一杯引っ張る。
 それなのに「あああああああああ」絶叫断末魔
 その姿は映さない。
 またも無力。徹底している。


 あまりのショックに声が消える。音が消える。


 心が自身の死や無力さを一度認めてしまったら、子どもに戻って生まれ変わることで守るしかないものなのか?
 しかしそのままで自立することはできない。
 自立できない者には救いが必要だが、成長するより先に救ってくれる人を失ってしまったらどう生きれば良いのか?
 この状況ならただ目の前の仕事に集中して片づける他ない。他に選択肢があって?


 イデオンに戻り無言で黙々とバッフクラン軍を狩り続けるコスモ。イデオンは何よりも強い。無敵だ。コスモの中に生まれた無力な自分という感情を否定してくれる。


 コスモのヘルメットに写る戦闘の光。目線を送ってロックオンをするコスモ。

 終始無言。

 敵方のドクが出す「アタック!」という突撃命令に応えるように
 「カミューラ・ランバンのかたきー!!!」の絶叫とともに、身体をすくめたイデオンの全身からヒカリが飛ぶ。一瞬にして全戦力の3分の1が破壊されるドク隊。

 「バッフクランめ…徹底的に叩いてやる!」


 コスモの叫びをうけ、咆吼する巨神イデオン。この機械は生きているのか?

三機一体ブースタ加速宇宙戦闘機ズロウ・ジックの格好良さ

 ブースタを切り離してから攻撃に移るとき、超ロングショットから加速を開始して、その直後エンジンのヒカリの円弧がスッと広がって、そこから急激に加速接近してくるのが格好いい。格好いいから使い回しのバンクでもあまり気にならない(笑)

母になりそこねたカミューラ・ランバン

 恐慌状態になっていたからといってコスモだけに何故絡む?
 軍人としてはブラジラー基地指令と大成したものの、子どもとは10年も前に別れたという。そしてコスモの動揺を真っ先に拾った。
 子どもを育て直したいのか?コスモのほうは育てなおされたいのか?
 コスモは自分の力で立ち直れるという。言いはしたけれど…
 宇宙服を着るところを「格好いいよ」なんて褒める。褒められる方は心が安らぐ。これは当然。それだけではなく、褒める方も満たされる気持ちがあるだろう。
 大人も持っていた本能的な喜びはふいに断ち切られてしまう。

敵意なんてない攻撃

 今回のバッフクラン軍の指揮官ドクは終始感情を動かさない。最後に大損害を被ったときだけ驚きはしたけれど、それだけ。
 敵意を抱くことも殺意を抱くことも決してない。それでもユウキ・コスモは精神的に殺されてしまう。

悪意なんてない悲劇

 誰にも悪意なんてない。ただ力が足りなかった。しかし、ただそれだけでこれほどに救いのない目にあわなければならないのか?
 あわなければならない。たとえ認められなくとも。

心と共に生きているマシン

 イデオンが全身からヒカリを撃つ瞬間、「開いた姿勢」ではなくて身体をすくめるような「閉じた姿勢」をとっているのが非常に象徴的。
 心の中の何かが閉鎖されてしまった…決定的に…

疑問形の感想文

 あまりにも衝撃が強すぎて一体どうやって受け入れたらいいものか分からないものだから、疑問形が増えてしまいます。
 無知の知を知らされる物語。(これでイデア論と繋がったか)

2017年11月09日の追記

 この回、特に全面リライトしたい感想のひとつです。精神的に追い詰められた10代が優しいおばさんに助けられる時の感覚、エヴァンゲリオン初号機の暴走描写との相似については特に加えてたい要素。細かめな部分としては、作画と撮影のレベルが一段高い「特別仕様」になっている点も見逃せません。


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