放課後は 第二螺旋階段で

「どうなるもこうなるも、なるようにしかならないのでは?」 筆者の気の向くままに書き連ねるクラシックスタイルのblogです。

高度経済成長以上にクレイジーなミュージカル / ニッポン無責任時代

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 非常に有名なこの映画を「高度経済成長の世相を反映した作品」などと云う人はおそらく実際には見ていない。「サラリーマンを装うのが天才的に上手い狂人を描いたミュージカル」と表現したほうが的確である。

 バーで他人のテーブルに入り込んでツケで飲んで帰り、通りがかりの家の中では勝手にギターを拾って歌いまくり、住人から「あんた誰」と言われるだけで済む時代なんてありはしない。そんなハチャメチャな行動が通用するのはミュージカルの世界だけだ。

 善悪の判断も無く、カネがなければ香典泥棒、ついでに遺言捏造、昼休みに会社の屋上へ上っている最中屋上バレーボールの球が飛んで来るのをキャッチすれば1秒と迷わず下へ投げ捨てる。なんでもあり。

 描かれるのが狂人ならば作っている方もノリに任せていて、突然劇場のステージにしか見えない場所に場面転換して植木等が歌い踊ったと思えば、実はそれは宴会場で余興という意味不明な展開が通ってしまう。

 さらに、「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」と歌ってるにも関わらず、実はサラリーマンでさえないのだ。競馬で会社をクビになって暇だから、他人の会社になりすましで入り込んで引っかき回して遊んでいるだけ。

 植木等の印象的な高笑いと、それでも不思議と無感情的で底知れないキャラクターがなければ到底成立しない。

 とにもかくにも非常にカオスな作品である。

登場曲名メモ

  • ドント節

 「サラリーマンは気楽な稼業と来たもんだ〜」の有名曲。

  • 無責任一代男

 「おれはこの世で一番 無責任と言われた男っ」「こつこつやる奴ぁ ご苦労さん!」

  • ハイ それまでョ

 ムード歌謡調に「あなただけが生き甲斐なの〜」で始まって急にコメディタッチな「てなこと言われてその気になって」に変わって「ふざけやがってこの野郎!」で終わる。

  • 五万節

 「学校出てから14年 今じゃ会社の大社長 キャバレー通いの徒然に〜」

この作品はTV放送予定あり

山田洋次監督が選んだ日本の名作100本 喜劇編
http://www.nhk.or.jp/yamada100/index.html
 NHK-BSプレミアムで5月8日火曜日に放送される予定。