放課後は 第二螺旋階段で

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セカイ系の時代から歩み去り5年ぶりの「雲のむこう、約束の場所」

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 2012年の最後に見た映画。2007年に見た時は「薄味すぎて味がよく分からない」「なぜ一つの学校に特異点が集中しているのか納得がいかない」という位の作品。

 時が経った今になってやっと見方が分かりました。

 誘導弾を作る高校生バイトが珍しくない社会体制、海自のチャカ(無人標的機)を拾っての部品集め、AMラジオから聞こえるニュース、時折響く高高度のジェット音……常識と音空間で作り上げられた作中世界は緊迫と日常が共にある。新海誠監督作の代名詞となっている背景はきらめくイメージだけを伝えて、それ自体は意味を持たないのです。

 「ド」が付く位に直球のセカイ系をしているシナリオも、個人レベルでは世の中がどうなっているのか分からない把握のしようが無いという点ではとてもリアルなのかもしれません。

 昔あったといわれるセカイ系それは不明の脅威に象徴される世の中をスーパーパワーで何とかしたい、打破したいという願いと共にある物語。

追記

 「軍のジェット戦闘機が空中戦で制空権を奪い合っているあの社会で一個人がヴェラシーラを作り、飛ばす。それが意味することは何なのか?」という疑問、葛藤がこの見方の基礎になっています。


(このエントリは2013年2月13日頃に視聴当時のメモを元に制作されました)