放課後は 第二螺旋階段で

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「クルマ運転秘術 ドライビングと身体・感覚・宇宙」舘内端 1991年ごろのニューアカデミズムな自動車論を体験。

 自動車という人体よりはるかに強力な機械をあたかも身体の一部のように操る事による世界認識の変容のありようを様々な言葉で表現しています。1986年執筆開始で1992年上梓、ハイテクマシーンの一つの頂点R32スカイラインGT-R出現前夜*1に着想を得た本であるという背景情報を踏まえると考えると分かりやすいでしょう。

 そして、自動車の操縦感覚は身体感覚と同じように定量化できず、より速く走るという欲望は、欲望であって本能ではないのです。そんなあいまいな世界が「自動車のよさ」の探求なのです。

 本題とは無関係な細かめの要素としては、コンピュータをインナースペースへと進むテクノロジであると定義づけている所に serial experiments lain を生み出した90年代文化の萌芽を感じました。

*1:1989年発売