この小説こそ真の「ゲーム脳の恐怖」
ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。
アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。
ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は…。
現実が歪み虚構が交錯する恐怖。
1996年、ゲーム誌の初代バーチャロン*1のコーナーに載っていた、「劇中にバーチャロンがでるドラマが放送される」という記事でこの作品のドラマを知りそれを見て楽しみ、でも内容はすぐに忘れてしまって、そして2005年にようやく原作本読了。
1989年に書かれた本なので、仮想現実技術の進歩が人間の存在や世界の認識を揺らがせる怖さを描く作品の元祖的存在という価値はありそうだけど、時代の変化で今読むにはありがちな話になってしまったかな?
渡辺浩弐が書くような小説の元祖かも。
(ミステリをほとんど読まないSF好きの感想)