これがヒットしないわけがないという面白さ。
描かれたことだけでなく、その前後を想像させるように作るのは面白さを増すのに良いやり方かな?
第8話「戦場は荒野」
このエピソードは特にすばらしい!映画版ではたしか完全にカットされていたけれど、本当に勿体ない。時間的に止むを得ないことだとは思うけれど・・・
宇宙で亡くなった父親の故郷「St.アンジェ」がそばにある避難民を降ろすため、ホワイトベース隊はジオンに休戦を申し入れる。ジオンの指揮官ガルマは、休戦の間に移動速度が遅い陸上部隊をホワイトベースに追いつかせることができると思い、それを受け入れる。お坊ちゃんのガルマはホワイトベース隊が休戦を攻撃に利用すると思わずに・・・
ホワイトベースは避難民機に避難民だけでなくガンダムも密かに乗せて送り出す。
避難民が乗った飛行機と、それを監視するジオンパイロットとのキャノピ越しのふれあい。「機長、あの子手を振ってますぜ」と楽しそうなジオンの兵士と避難民の子。ジオン兵士は避難民への救助カプセル投下さえ行う。
しかし、休戦を攻撃に利用しようとしたことがバレてしまいそうになったため、ガンダムに乗るアムロはその兵士が乗った飛行機を撃ち落すことに。
乗っていた飛行機が撃ち落されたものの、生き残ることができたジオン兵は避難民の子の元へ行き、ホワイトベース隊とジオン隊の再開された戦いを眺める。
そして、戦いが終った後ジオン兵は隊に戻るために立ち去ることにする。
ジオン兵「戦いはどうなってんでしょう?」
ジオン兵「さあな、どちらが勝つか」
避難民の母 「どちらが勝っても負けても、私のように夫をなくす人がこれからも大勢出るんでしょ」
最後に立ち去るときまで、故郷が無くなってしまったことを告げないジオン兵。最後の一言に「ぼうず、強い男になって母さんを守ってやれよ」というセリフがかかっていて、印象はさらに強く。
ジオン兵「我々は原隊へ戻らなければなりません、今夜は救助カプセルで休むといいでしょう」
避難民の母「ありがとうございます」
ジオン兵「ぼうず、強い男になって母さんを守ってやれよ」
ジオン兵「では」
ジオン兵「奥さん」
避難民の母 「は、はい」
ジオン兵「ここが一年前までSt.アンジェのあった所です。奥さんは湖の仲間の所にお帰りになった方がいいでしょう」
呆然とする避難民の親子。
そして、ホワイトベースに乗りその土地を立ち去る事情を知ることができないアムロの「あの親子はSt.アンジェに着けたんだろうか?」という問いかけでこのエピソードは終る。
戦争の切なさと悲しさを、死人を描写せずにここまで表現できるのかという驚き。
盾を投げつけてザクやらマゼラアタックにザクザク突き刺すガンダムの悪役ノリのアクションも楽しいw
第9話「翔べ!ガンダム」
ガンダムに乗らないとゴネるアムロとしかるブライト。有名な場面「二度もぶった!親父にもぶたれたことないのに!」 「それが甘ったれなんだ。殴られもせずに一人前になった奴がどこにいるものか」
マチルダさん登場。
第10話「ガルマ散る」
「ジオン公国に栄光あれーっ!」の後に世界貿易センタービルに突っ込むという不謹慎MADムービーの見すぎで笑ってしまいましたごめんなさい。
第11話「イセリナ,恋のあと」
前話で死んだガルマの恋人イセリナは復讐に静かに燃える。アムロはイセリナの最期の時に自分が敵になっていたことを知り愕然とする。
巨大航空戦艦ガウの翼の片側にガンダムが乗って傾き、反対にガンキャノンが乗って水平になり、ラダーを手で捥ぎ取ったらガウの操舵手がその反力でコケたり、そのラダーを投げつけたりと何となく未来少年コナンチックなアクション。
全話について書いていたら死んでしまう!
ので、一番良かった話について長めに書いてあとはソコソコにしときます。でも沢山書きたくなる作品。
アニメの監督・脚本・絵コンテの関わり方
「戦場は荒野」が物凄く面白かったので、この話を書いたのは誰なのかを調べていたら、アニメの監督と脚本と絵コンテがそれぞれ何をしているのか段々と分からなくなってきた。
監督が全体のあらすじを考えたり脚本や絵コンテの可否をみて、脚本があらすじに合わせたシナリオを書き、絵コンテがそのシナリオに合わせたコンテを切るというシステムで正しいのかな・・・??