放課後は 第二螺旋階段で

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「蟲師 第6巻」 漆原友紀

蟲師 (6) (アフタヌーンKC)
 年に一巻しか出ないけれど、それが良いと言えるクオリティの漫画もついに6巻まできた!スゴイネ。


 アニメ化されるそうですが、どこが作るのかな?「灰羽連盟」を作ったところ*1だと何となく似合いそうな気がする。
 そう思って検索してみたところ、「アートランド」というところが作るらしいと判明。最近の代表作はどうしてもよく分からないけれど、社長が自然物を得意とするアニメーターだということは分かった。自然物が得意なところなら、何となく合いそう?


 以下各話感想。

天辺の糸

 心情に現実が従い、それにより「日常」から逸脱する者。それでもなお他者は無理にでも逸脱せずに「日常」を続けるということで、逸脱者は「日常」に帰るというモチーフ。


 このモチーフは昔話で比較的よくあるものなのかな?あとがきに「各地に似た民話がある」といった旨のことが書かれていて、自分も読んでいて見たことのある話だと感じた。

囀る貝

 この話だけあまり好きになれなかった。なぜなら蟲が異質なものではなく、人より一段下のものとして描かれているように見えたから。

夜を撫でる手

 卸しきれない技術力(≒力)に飲み込まれる人間の意思というモチーフ。
 何となく「鋼の錬金術師」を思い出したり思い出さなかったり。アニメのほうしか見たことがないけれど、この話に似た思想のエピソードを見た覚えが。


 力を失い「夜がこんなに暗かったなんて」と無力だった時を思い起こす時とそれの「暗さ表現」と、その後のカラスの黒の印象が強かった。それと、癒えることの無い傷を持つというラストは余韻が残るものですごく良かった。


雪の下

 この漫画家の人の「雪」は最高!なのでこの話も最高!
 あと、導入部の蟲図鑑を見る場面がユーモラスで好き。

野末の宴

 これは何巻か重ねて、蟲師とは何者なのかを読者が知っている今だからできる話だと思った。
 主人公のギンコやその仲間の蟲師たちの宴会に新人蟲師と間違われた一般人が紛れ込み、蟲の世界を垣間見る。
 たった一回見た美しい世界。そしてその余韻の追体験

*1:RADIXという会社らしい