Amazon.co.jp: 遙かなり神々の座 (ハヤカワ文庫JA)
やたらシビアな登山シミュレーションゲーム「蒼天の白き神の座」のノベライズ。ではありません。
でも「蒼天の白き神の座」で登山に興味を持った自分が読むのにはピッタリのタイトルのネパールを舞台にした山岳冒険小説。
雪に囲まれて生きるイヌイットやアイスランドの人々が使う言語には雪を表す言葉が何十種類もあるというが、ネパールで青年海外協力隊として数年暮らし登山を趣味とする筆者ならではの、ネパール生活のディテールの細かさ、6000m以上の山での寒さ、風の強烈さ、厚い氷の重量や堅牢さ、薄く脆弱さが隠れている氷の恐ろしさ、雪崩の巨大なエネルギー、氷河のスケールの大きさ、クレバスの恐怖等の描写の多様さが特に素晴らしくて面白かった。