「いったいおまえは何者だ?生物なのか。知性や意志や情報だけの存在なのか。実体はあるのか。どこにいるんだ」
「例示された貴殿の概念では、われを説明することはできない。われは、われである」
「戦闘妖精・雪風(改)」の続編。執筆時期は15年も離れていますが、シナリオは完全につながってます。
前作では機械と人間の間での非言語コミュニケーションと、断絶が描かれていましたが、今作では機械と人間だけではなく、人間に認識できず人間を認識できかった異星敵「ジャム」とのコミュニケーション、認識の断絶、理解への挑戦が描かれる。
そして、断絶しているということを認識した上でコミュニケーションを試み続けた結果発生する、人間と機械、2つで1つの共同体「複合生命体」としての「雪風」。
思考実験的で面白かったけれど、「ジャム」とのコミュニケーションという戦いに何らかの終わりを作ることができるのかが気になってしょうがないです。続編が楽しみになりすぎる一冊。