放課後は 第二螺旋階段で

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「Red Orchestra」やってる

 分かりやすい作品内容紹介はこのページで。
http://dod.xrea.jp/_ro/index.html


 この作品はリアリティを追求した結果、自分が一体何やってるのか分からなくなることがいっぱいで、その混乱感覚がかなり独特です。
 他FPSだとレーダや名前の色で位置判別や敵味方識別ができるんですが、このゲームで使える要素は「外見」だけ。自分は下が広がったデザインが有名なドイツ兵ヘルメットを被っているか否かで独ソどちらの兵なのかを見分けています。で、ヘルメットの形がわかりにくいくらいの距離になると味方を射殺しまくりです。
 他の人もそんな感じみたいで、このゲームの戦死者のうち1割は味方からの誤射でできています。

  • ドイツで「ありがとう合図」を出すと「ダンケ」って言って、ソ連で同じことをすると「スパシーバ」と言うのがうれしい。
    • 「弾くれ合図」を出すと「なんたらかんたらパトローネ!」、「手榴弾注意合図」を出すと「グラナーテ!」って言うのがうれしい。
  • 機関銃の曳光弾の色は、ドイツのものは黄色*1で常識的なんですけど、ソ連のものは緑色*2で、夜間戦闘だとそれが跳弾して花火みたいに辺りを明るく照らしたりしていて、リアリティ追求の結果とはいえスターウォーズ的雰囲気で不思議。
  • ソ連軽機関銃「DP28」は「ザクマシンガン」と見た目がほぼ同じ。
  • 軽機関銃の過熱銃身交換まで再現されているのは芸コマ
  • 銃に敵弾が当たるとはじき飛ばされて武器が無くなってしまうのは芸コマ。手近な戦死者がいなくてかわりの武器が手に入らなかったら、素手でオロオロする羽目になってしまう。
  • リアリティ追求の結果、ソ連サブマシンガン「PPSh41」は連射速度が速すぎて照準することがほとんど不可能で、だいたいこっちという方向に弾をばらまくことしかできないものになっているのには笑っちゃうのと同時に感心しました。バイポッド固定でも連射速度が速すぎるといわれるMG42の75%の発射速度を、人間が手に持って使うものに与えるなんてありえない。秒間15発の嵐。嵐は制御などできない。*3
  • ほとんどのFPSでは発射と同時に自動的に処理されるボルトアクションライフル発射後の排莢/再装填がマニュアルで表現されているので、一般的な描写に慣れた自分はこのゲームで一発撃った後もう一発撃とうとしたらコッキングして撃てず死んじゃいまくりです。この死に方、するたびに間抜けで笑っちゃう。オートじゃないライフルって、外から見て発射前なのか後なのか確認できないんですね。
  • 理由不明ですが全てのボルトアクションライフルは弾切れ前リロードできないのが不便。半端弾丸クリップを抜くのは現実的には難しいから?
  • 「着剣」が表現されているのは緊張感あって楽しい要素。膠着状態を破るために隙を見て銃剣突撃をかけるときとか、着剣でスイッチが入る感じがして気持ちいい。敵味方識別が難しく連射速度も遅いか速すぎて当たらないせいで接近戦になりやすいこのゲームは、銃剣が有効になる頻度がかなり高い。ドイツ用は血抜きの溝が彫ってあって、ソ連用は確実な殺害を目的としたスパイク型なのはリアリティ追求の結果とはいえ生々しい。
  • 「Gore」(残虐表現)の設定は、銃撃戦主体のマップだと血がちょっと出るくらいで、わざわざ特記する必要ないじゃないと思っていたけれど、戦車戦や手榴弾戦が多いマップになるとバラバラになっちゃう人続出で納得。戦車の砲手をしているとき、敵歩兵が群がってきたから榴弾で蹴散らそうと思ったけど、そのとき装填してあった徹甲弾から差し替える方法が分からなかったからそのまま徹甲弾撃ち込んだら、当たった人が肉骨粉になったよ!戦車を迎え撃つ側になったときは、戦車砲弾を食らってバラバラになった仲間のすぐ横で伏せてパンツァーシュレックを構えるといったシチュエーションが結構あって、異様な緊張感がある。
  • 敵兵射殺で1ポイント、制圧射撃をする機関銃兵への弾薬補給で5ポイント、陣地占領で10ポイントというシステムは、「何のために戦闘をしているのか?」という思考が前面に出ていて面白いけれど、自分の腕が反映されにくい寂しさもあります。

2日目以降の感想

  • ソ連軍が装備している単発版次元大介ライフルは、固定無しでの発砲が不可能なのと通常のボルトアクションライフルの半分以下という連射性能の低さから、待ち伏せしての対車輌攻撃にしか使えないかと思っていたけれど、対人でも意外な性能を発揮してなかなかオモシロイ。通常のライフルの4倍以上ある重量とバイポッドのおかげか照準が全くブレず、大口径高初速で弾道が精確なので、スナイパーばりの射撃ができる。戦車や装甲車を撃破する貫通力があるのに木造建築に作られた機関銃陣地の敵兵を狙って撃った弾が窓枠に当たって止められたのは納得がいかなかったけど……
    • 装甲車輌は視界が悪いので、うまく隠れられればほとんど目の前にいるのにバレなかったりして、そこでエンジンや弾薬庫といった致命部を撃ち抜くのが楽しい。発見されたら絶対に助からないという緊張感と大物狩りの気持ちよさ。
  • 戦車のハッチを開けて周りを偵察しているとき、イヤな予感がしたのでハッチを閉めて引っ込んだらそれから1秒もしないうちにキンカンと弾が当たったのでびっくり。気分はオットー・カリウス。*4現実のソ連軍は狙撃を嫌ってハッチをほとんど開けずに運用していたらしいけれど、それって絶対駄目だと思う。ハッチを開けたり車輌から降りて偵察したりすると、車長一人が死ぬリスクは増すけれど、車が全損になって全員が死ぬリスクを考えたらずっと良い。
    • 現代でも車長って降車偵察したりしてるのかな?
  • リアリティゲームは思考実験の元になってとてもとても楽しい。細く長く楽しむタイプのソフトだと思う。

*1:リン系らしい

*2:塩化バリウムをつかっているらしい

*3:あとになって、「PPSh41」は、1、2発当てれば死ぬ人間一人を殺すのに40発は弾丸を使うつもりで出鱈目に撃てば良いと分かりました。ドラムマガジンには70発も弾が入るし、それを3個も持てるから、無駄遣いだって考えてちゃダメ。

*4:宮崎駿も伝記漫画を描いている第二次世界大戦ドイツの戦車エース。激しい戦闘の真っ最中にハッチを開けて周りを見たり、車輌から降りて歩きで味方陣地の視察をしたりと偵察やコミュニケーションを非常に重視していた。