放課後は 第二螺旋階段で

モバイルでは下部のカテゴリ一覧を御覧ください。カテゴリタグによる記事分類整理に力を入れています。ネタバレへの配慮等は基本的にありません。筆者の気の向くままに書き連ねアーカイブするクラシックスタイルのなんでもblog。「どうなるもこうなるも、なるようにしかならないのでは?」

「ヨイコノミライ」を読んでいる。既刊分の3巻まで読んだ。

ヨイコノミライ完全版 3 (IKKI COMICS)
ヨイコノミライ完全版 2 (IKKI COMICS)
ヨイコノミライ完全版 1 (IKKI COMICS)
 「げんしけん」を見たときは「ユートピアすぎて不気味」と思って読めなかった自分でもこっちは普通の話に見えて面白い。
 きつい話だとよく言われているけれど、思っていたよりずっと明るかった。何かをしたいという意志はあるし、本人が不幸だって気が付かなければ、人間いくらでも幸せになれるのだから……「悪役」でも他人から影響されて少しずつ変化していくのが見えたりするのも、意外と前向きなところ。人間への期待値が低すぎたからこう思ってしまうのか?
 こう少し突き放した見方をしようとしても、リスカボーイッシュボクっ子の「桂坂先輩」はとても強く感情移入してしまう珍しいタイプのキャラクターで驚いた。ここまで自分にとってちょうどいい人間が出てくるフィクションが見られるのは久しぶり。
 シニカルで自己否定が強いけれど、自己を消すことはうまくできず他人とあわせられないところ。それでも日常では何とか常識人の範囲でコントロールできているけれど、そこから外れるとリスカってしまったりグロい漫画描いてしまって破綻してしまうところ。他人との依存しあいから友情とも恋愛ともつかない位置になってしまうところ等々。
 こういう人間が一体どうなってしまうのか、先がとても楽しみ。
 フィクションで定番になっている要素「ボクっ子」は、字面から「元気」と結びつけられがちなんですけど、現実的に考えると自己否定からくる「鬱」との相性のほうが断然良いんですよね。