前回のヤクザボコボコ事件の結果、ジョーは拘置所に入れられていた。
警察から取り調べのために乱暴に呼び出されても「俺は被害者なんだぜ」と余裕しゃくしゃくのジョー。
警察からは「お前のせいで15人もの重傷者が出たんだ」「段平がいなかったらお前は切り刻まれていたんだぞ」と告げられる。
釈放されたジョーは、ヤクザから助けた功績でドヤ街の子供達を子分にする。
その後、ヤクザの事務所へ段平重傷の慰謝料をとりにいくジョー。
それは無謀なものではなく、子分を外で待機させ、何かがあったら即座に警察に通報される仕掛けを構えての脅迫に近いものだった。(この時ジョーがとる「ちょっと外見てごらんなさいよ、ほらほら」っていう軽い態度と、外でじっと電話をかける構えで緊迫している子供の対比がなかなか面白い)
子分と警察の力を借りて慰謝料をうまいこと頂いたジョーは、何もかもがうまくいったのに警察に通報させてヤクザの事務所を出て行ってしまう(笑)
さらにジョーは、子分を引き連れてヤクザ系列のパチンコ店で勝ちに勝ってハコを山積みにしたり、ショバ代を払わず道ばたでインチキ露天商をしたり、ひたすらに小金を稼いでいた。
ジョーがやることなすこと何もかもがムチャクチャなので、丹下段平は警察から「丹下組」というヤクザを作ろうとしていると勘違いまでされてしまう。
警察が去ったあと、段平はジョーに昔話を語る。
「ボクサー崩れが戻らない昔の栄光を語ろうって言うのかい!ハハハハハッ!」
「そうさよくある話さ・・・・・・」
「俺にとっちゃリングがすべて、というよりリングを離れては何の取り柄もない男だった。だからボクサーの生命の片目をつぶされてもコーチとしてリングに張り付いていたんだ・・・・・・」
段平が最後に育てたボクサーは
「判定で負けるのが確実な最終ラウンドに何で捨て身の戦法ででなかったんだ!」というアドバイスを受けても
「それで怪我をしたらどうする?段平さん、あんたはそれで一体何を得たっていうんだ?傷だらけの顔と潰れた片目じゃねえか」と拒絶してしまった。
獣の目を持たないボクサーは、常識があるボクサーは、当然そう判断する。
そしてボクサーは、お金のあるまともなジムへと移籍してしまった。
段平の語りの直後、またまたヤクザが復讐にやってくる。
ジョーはまたまたまたヤクザと喧嘩をし
段平は「ジョーはお前だけの身体じゃないんだ!お前は俺の明日なんだぞ!今の俺にはお前が全てなんだ!」と子供たちに担がれて現場へと向かう。
現場にたどり着いたころには、ジョーはヤクザ全員を打ちのめしてしまっていた。
顔を腫れ上がらせ血を流しながらも「俺に指一本も触れられなかったんだぜ」と強がりを言うジョー。
「だったらその傷だらけの顔は何なんだ」と安心から泣きながら笑う段平。
段平は言うことをまるできかないジョーが無事だったものだから、思わず顔を拳で撫でる。
ジョーはそのことに何かを感じたのか「3食昼寝つき、小遣いは一日500円でいいぜ」「男に二言はない」とボクシングを始めることをついに決める。
- 繋ぎで省略
前回はヤクザとの喧嘩シーンで終わっていたのですが、今回はそれが解決してからのシーンでスタート。
一応「ヤクザは諦めた」とか「途中で警察が来た」とか想像することができて、そうやって想像して出した答えには自然と納得させられてしまう。
- 説明で省略
警察から「15人の重傷者が出たんだぞ」と言われることで、ジョーの強さが映像の無いまま一瞬で分かる。「15人」は、現実にはありえないけれど呆れるほどではないからいい数字。
- コメディアンジョー
この回は「ドヤ街の子供達を子分にする」という子供じみた要素が含まれるからか、コメディシーンがたくさん。
ヤクザに対して要求が通ったのに通報したり、パチンコでアホみたいに勝ちまくったり、道ばたで物売りをしてみせたり。
物売りのときはサクラの子が出てくるタイミングがあからさまに早すぎて失敗して、でもそのことを面白がられて却って物がよく売れたりするのが可笑しい(笑)
息を詰まらせないバランス感覚。
- 謎ジョー再び
ジョーは何故か自ら危険に突っ込んでいく。度重なるヤクザとの喧嘩も楽しんでいるかのよう。
これは段平が以前育てていたボクサーとは丁度逆の気質。
- 見られないのは怖いから、見えたときは安心する
ヤクザとまたまた喧嘩をしに行ってしまったジョーを見に行こうとした段平が、足を怪我していて動けず子供達に連れられてジリジリとしか進めないという場面は、見たくても見られないから緊張する。だから無事だって分かったとき安心感で泣くことができる。
ヤクザが以前一度ドスを抜いていて本気を見せているのも怖さを強調する。