夜中に見回りをしている刑務官達は、ビュッビュッという風を切るような打撃音を聞く。それは脱走常習犯矢吹丈の独房からの音であった。
刑務官は部屋のベッドを勝手にどかしてボクシングのトレーニングをしたりと言うことを聞かないジョーに対して「飯抜きだぞ!」と言うが、ジョーは「結構だね。俺は飯を食う暇だって惜しいもんでね」と刑務官を突っぱねる。
マンモス西のほうは、ジョーのことが心配で食べられなかった飯をジョーのもとに泣きながら送り届ける。「これはあんたの飯や!」*1
ジョーはひたすらに力石徹に完全敗北したときの動きを、感覚を、思い出し続ける。「俺が力石に勝てるようになるにはまだまだ当分かかりそうだな・・・・・・」「早くあしたのためにその3でも4でも送ってくれよ!」
そのころ丁度、白木葉子はヘリコプターで少年院へ慰問に行っていて、その力で、島まで渡ったものの少年院に入れなかった丹下段平と町の子供達も入れてもらうのでした。
白木葉子の慰問劇団と合流した段平と子供達は、ジョーと久しぶりに再会。
こんなに嬉しいことはない。
しかしそれは劇を途中で遮るものだったので、白木葉子は「劇が終わってからでもお話はできるでしょう」などと言い出す。
それだから、段平が白木葉子のおかげで再会できたと言ったというのに、ジョーは「何が慰問だい!ちゃちな劇を迫力でごまかそうなんて許せねえんだよ!まともな神経の持ち主のやることじゃねえ!」と舞台の上に出てまで逆らう。彼は後先なんて考えない。
その状況に、力石徹が観客席で立ち上がる「何が許せねえんだい?矢吹よぉ」
一同驚いた顔のままで固まる。
白木葉子は「幕を引いてください!」と叫ぶ。
ジョーはそこで「表へ出ろ力石!」と勝負を挑む。
力石はそれに「今度は俺たちの幕が開きそうだな」と応える。
続く!!!
- 劇場の観客席は暗くてよく見えないから・・・・・・
舞台に上がると非常に引き立つし、観客席で立ち上がって一段明るく描かれた力石徹は他を圧倒する存在感になる。
最近数話は、今回の劇場のように光と影が特に引き立つシチュエーションが多用されています。
- 影が無さすぎる白木葉子
久々に再会したというところで、何の躊躇もなく「後で話せるから今はやめなさい」と言える神経は別に矢吹丈じゃなくても苛立つわ。
とはいえ、そう言うしかない立場なのは確か。
- 一本調子を避ける・疲れないようにする・広がりを持たせる方法
少年院でトレーニングするジョー・・・・・・ばかりでは単調になるので、ドヤ街にいる丹下段平や子供達のシチュエーションコメディ的なエピソードが頻繁に挟まるようになっています。
「島に住む親戚が危篤だから」と船長に話して、滅多に定期便が無い島へ船を出させるんだけど、もう一人の乗組員は「本官にはとてもそんな辛い状況には見えません」と言って、そのあと船でニコニコ大騒ぎしてる丹下段平と子供達、とか(笑)
- 力石徹の強さのひみつ
いつも少し笑っていて、余裕がありそうに見えるところ。
*1:「自分の分だけど、あんたの飯のようなものだ」って意味。念のため。