全編木版画で作られた驚異のマンガ、それが「怪奇版画男」
さらに凄まじいのは、すべての話が版画であることを生かしていること。さらにさらに、続けると作者は発狂するとさえ云われている過酷なジャンルのギャグで。
「そこまで版画にしなくていいんじゃないか」という態度の登場人物には、版画男から「版画を馬鹿にするかあ!」の制裁が下るのだけれど、これが彫刻刀を凶器にした若干拷問じみたもので結構怖い。ちょっと意味不明な域に達している棟方志功推しも怖い。その不可思議さが可笑しくて、笑いすぎで体力的に一気に読み通すのは全く不可能な単行本でした。
雑誌連載は1994〜1997年にかけてのもので、ライバルにプリントゴッコ男が登場するなど時代を感じさせる部分も幾つかあり、それもまた味となっています。
カバー下にも版画あり。
このマンガは速水螺旋人さん Расэндзин🍥『大砲とスタンプ』完結9巻発売中 (@RASENJIN) | Twitter のTwitterでのpostで知りました。