タイトルは「新しい」となっているが制作は1959年。
取材先は川崎製鉄・千葉製鉄所(現JFEスチール・東日本製鉄所・千葉地区)である。*1
完全に工場を主体とし人間が無名化された構成の今作は、工場萌えの王道である製鉄所を堪能できる。
出来上がったばかりの灼熱の鉄の上を滑る灰色の「灰汁」(正しい呼び名不明)、高炉管理者が運転ステータスの一時ログを表示するために縦に積み重ねて掲示するレンガ型の黒板、溶けたままの鉄を輸送する場内鉄道のトーピードカー、真っ赤に焼けながら鉄道のように駆け抜ける圧延鋼板など等…
高炉から鉄を取り出す度にハンマーで穴を開けて破口を作っているのには驚いたが、現代でもそんな方法なのだろうか?
圧延鋼板の製造作業でプレス機から出てきた巨大な材料をバタンと倒さずに斜め位置で適度に引っ掛けてからズルズルとゆっくり寝かせるオペレータの職人芸には惚れぼれする。