実は見たことがない有名映画を見るシリーズその1。(2以降があるのか不明)
取締中の事故で暴走族を殺してしまった交通警察官は、報復により友と家族を殺される。全てを失った男の復讐譚。
この映画に内容は無い。長いあらすじをしっかりと書ける映画ライターの方はツワモノである。だが、すぐに戦いが始まるアクション映画は常に良いものだ。退屈することは無い。ひたすら直球を投げ続けているような、力があるだけで淡白な構成の作品。
このようなダーク系カーアクション映画は『バニシング・ポイント』(アメリカ・1971)あたりからの流れなのであろうか?昼のテレビ映画、ブラウン管のぼんやりとした画のイメージがあるため、HD化されると記憶よりもはるかに美麗な画面で奇妙な印象を受けた。
シリーズ第一作のためか、SF色はほとんど無く、世界も荒れ果てておらず、『北斗の拳』のモデルになるような雰囲気はほぼゼロである。あまりにも低予算過ぎて、世界を荒廃させることも不可能なようだ。登場人物もきわめて少なく、オーストラリア郊外のシーンばかりで淡々としている。
世界観説明はバックグラウンドの警察無線で行われ、これは上手い手法。役者が喋るよりも早く確実に自然と雰囲気が広がっていく。この表現が私的最大好印象ポイントだった。