放課後は 第二螺旋階段で

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不協和音の魔法少女まどかマギカ 第2話 「それはとっても嬉しいなって」

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ショートあらすじ

 マミ先輩の家に招かれたまどかとさやか。二人は、魔法少女とはただひとつの願いと引換にキュウべえと契約してなるものであること、魔女の脅威、魔女との終わりなき死闘などについて教わる。決断を下せない二人はしばらくの間、魔法少女マミに付いて行って魔女すなわち自殺や犯罪の原因となる怪現象との戦いを見学することになる。

回想と感想

 初見時はこのエピソードからでした。

「命と引き替えにしてでも叶えたいことがないなんて、私たちってその程度の人間なの?恵まれすぎてバカになってるんだよ」
という屋上でのさやか発言シーンから一気に引きこまれました。この急で薄っぺらで切実な重さは一体何なのか。1997〜1999年ごろの『新世紀エヴァンゲリオン』や世紀末ムードの中に現れた作品群の感触を思い出しました。

 そして、後のストーリーのことを考えると、さやかが一番最初に道理が分かっていたんですね。その分だけ最初に割を食ってしまうのですが。

 このさやかの見せ場で舞台になる屋上とフェンスは真っ白で全くテクスチャ感の無い極度に無機的な空間なのがまた見事な作中世界表現となっています。

 シーンの順番と前後しますが、さやか発言の元になる説明の場となったマミ先輩の家にモノが全くない虚ろさ、表面的部分だけが充実した人格の表現もまた素晴らしい。これは今販売されているBD版では常識的な内装に変えられてしまっていますが。

 まどか、さやか、マミたち3人の下校シーンで超広角レンズのロングショットにより画面端の変形が激しく街灯の高さが中央と何倍も違って見える表現、遠景のコンビナート群が夕日逆光シルエットだけになる表現も、繰り返しになりますが極度に人工的な世界の魅力を引き立てています。

 こうして作中世界がある程度固まったところで始まるマミと魔女の戦いでは、変身アクション中に使い魔を説明なく踏み殺し、銃床を突き立てコンクリートを砕き、有利不利の因果関係が不明なままいつの間にか必殺のティロ・フィナーレ勝利してしまう不可解さ。

 全体を無機・殺伐・不条理が支配していて、一見ほのぼのとしているように見えた画との不協和音はこの回で既に高まりきった状態で第3話へと進みます。


2013年11月25日の追記:この作品は2013年12月25日にBDBOX版が発売されます

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