Amazon.co.jp: 魔法少女まどか☆マギカ 3 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
あらすじ
魔法少女剣士となったさやか。だが救われた仁美はそのことを覚えていないのだった。謎の魔法少女爆弾使いほむらは、机に腰掛け腕を組みただじっとその会話を見ている。
病院では、さやか魔法少女化の奇跡で障害が完治した上条くんのため、屋上でサプライズ・パーティーのように演奏の機会が作られる。彼女はこの瞬間のために全てを賭けていたのであった。
一方その頃、まどかはほむらから「魔法少女になるのはたった一つの願いと引換に死んだようなもの、もう救う術はない」という絶望的な説明を受けていた。
まどかとさやかは合流した後、魔女狩りに出るのだが発見できたのは 使い魔 と呼ばれる魔女の前身存在だけだった。戦いに割って入ってきた 杏子 はエネルギー源の グリーフシード 獲得以外のために戦うのは全く馬鹿馬鹿しいと語りながら稼ぎの邪魔になるさやかを打ち倒そうとするのだった。
さやかと杏子の戦いを止めるために魔法少女化を考えるまどか。
「それには及ばないわ」と割って入るは、ほむら。
回想と感想
魔法少女道とは、たった一つしか選べない「全てを犠牲にしても叶えたい願い」を一体いつ何に対して使うのかを決めること。その瞬間を見逃さないように緊迫した状況が続きます。
遠くのコンビナートや街の隙間を埋め尽くす風力発電機、川の巨大な水門は何らかの機能を持っているけれど自分たち子供には関係ないという感覚の中、人知れず戦う暗闘世界観が1990年代末期の作品を思い出し少し懐かしい。
以上が初見時の感想です。
欧米圏の人々が事故死や戦死した人について「苦しむことはありませんでした。即死でした(だからまだ良かった)」という発言をすることがありますが、この辺りからの数話はその逆で楽に死なせてもらえない苦しさが面白さとなっています。カタルシスのために重荷を背負わせていると表現することもできるでしょう。
さやかの奇跡で手を治した上条くんの演奏会シーンでは、是枝裕和監督の映画『ワンダフルライフ』*1 を連想しました。死にゆく者が最後に見守る演奏。皆ほぼ無言で映像的にもロングショットで冷めていて静かだが、自分の最期に満足し喜びは大きい。
細か目の感想
- 私は杏子周りのエピソードの描き方があまり好きではないため、しばらく若干流し気味。
- ちょっとボンクラ系に寄せすぎている印象。この要素がなければ、スピンオフシリーズや同人での広がりは全くのゼロになったとは思いますが……
- 机の上に腰掛けて腕を組むほむらの絵は格好つけすぎていて可笑しなカット。昔の少年マンガのヒーローか。
- 今回の魔法少女川柳「言って聞かせて 分からねえ 殴っても 分からねえ バカとなりゃあ 後は殺しちゃうしか ないよねっ!」
- 聞いた感じと違ってそれほど川柳していませんでした……七五調で始まってるだけ。それでも結構リズミカル。
- この回ラストのほむら登場シーンは時間停止能力者だと分かって見ると美しさ倍増です。まどかが魔法少女同士で戦うことなんてないと流す涙、さやかが叩きつけられて壊れた配管から漏れた水滴に映りながら、ハイスピードカメラで撮影された映像のように空中に固定された水滴群を割りながら進むように戦いの中心に出現。
- やや文字で説明するのに無理あり。雨粒が空中でピタリと止まりその中を走る人の側が水滴に衝突する、その姿が水滴に写っているところを見せるイメージ。