放課後は 第二螺旋階段で

モバイルでは下部のカテゴリ一覧を御覧ください。カテゴリタグによる記事分類整理に力を入れています。ネタバレへの配慮等は基本的にありません。筆者の気の向くままに書き連ねアーカイブするクラシックスタイルのなんでもblog。「どうなるもこうなるも、なるようにしかならないのでは?」

世界線合流し伝奇となる 魔法少女まどかマギカ 第11話 「最後に残った道しるべ」

魔法少女まどか☆マギカ 6 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
魔法少女まどか☆マギカ 6 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

あらすじ

 時間遡行者、暁美ほむら

 一月を何度も何度も繰り返していることがキュウべえに発覚してしまった。それにより、よき人々に囲まれ健やかな人格を持つまどかが何故巨大な魔法才能を持つようになったのか、原理は解き明かされた。

 その結果、キュウべえからは「ほむらが無数の並行世界を旅し続けることで因果を束ねなければ、これほどの力にはならなかった、感謝している」という全てが逆転し絶望に突き落とされるような言葉を告げられるのであった。


 一方その頃。さやかの死体を預っていた杏子が死んだ。さやかの死体は発見され葬儀が営まれる。まどかはそんな場でも決して死の経緯を家族に明かさなかった。それは彼女が持つ最初で最大の秘密だった。

 その場を抜けだしたまどかが「こんなひどいことをして、それでもどうでもいいっていうの?」とキュウべえを問い詰めたところ、家畜の繁栄と人類、世界史とその裏にいた魔法少女たちについての情報を精神に直接伝達され、ショックで嘔吐寸前になってしまうのだった。人知れず戦い、絶望し、しかし人類史を前進させた魔法少女たち。それは伝奇に他ならないであろう。もしも彼女たちが存在しなければ、人類は未だ原始時代を生きていたはずだという。


 その夜。まどかはほむホームを訪れる。鋼鉄のドアにチェーンを渡し隙間から覗く非常に警戒心の強いほむら。この段階に至っても誰の協力も必要はなく、ただ一人でワルプルギスの夜を撃退できると虚勢を張り、協力しようとするまどかに対しては思わず後ずらせるほどの迫力でじろりと睨むのだった。

 だが、涙を流すまどかの前では本心を隠し続けることはできず、時間を旅して今やっと出会うことができたという思いを表すように時計型の部屋を反時計回りに走り、抱きしめる。

「あなたを救う。それが私の最初の気持ち。今となっては……たった一つだけ最後に残った、道しるべ」

 永遠の戦士(エターナル・チャンピオン)と化した暁美ほむらは、内気で人と打ち解けない性格との相乗効果によりもはや人類からかけ離れた存在になろうとしていた。果てしなく広がり続けるすれ違いにより精神は限界に近く、このままでは、これが最期になってしまうだろう。


 翌日。5……4……3……2……のカウントダウンと共に、今までより一段と物語のメタ存在に近い魔女ワルプルギスの夜、襲来。

 ほむらは数十周にも渡るループの戦訓を生かしたかのようなピタゴラスイッチキルゾーンワルプルギスの夜を叩き込むが、撃破に完全失敗。街も守れそうにない。

 敗北の衝撃、やり直しがさらなる世界の悪化を招くという絶望に打ちひしがれようとしているほむらの元に、この世界システムの全てを理解し決心した神がかり的人格者まどかが駆けつける。

「もういい。もういいんだよ、ほむらちゃん」

「ごめんね。ほむらちゃん」

 シーンの途中で次回へ……!?

回想と感想

 この第11話と最終第12話は必ず続けて放送されていました。

 当時のTV放送タイミングを記録しておきます。

  • 関東:2011年04月22日 03:00〜04:30 (10話からの3話連続)
  • 関西:2011年04月22日 02:40〜03:40 (11話からの2話連続)

 そして、それ以外の地域にいる私はこのニコニコ生放送で見ました。
魔法少女まどか☆マギカ」アニメ上映会 - ニコニコ生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv45950150

【会場のご案内】
2011/04/24(日) 開場:27:45 開演:28:15
この番組は2011/04/24(日) 29:15に終了いたしました。
来場者数:115021人 コメント数:163397

第11話「最後に残った道しるべ」
第12話「わたしの、最高の友達」

3月11日(金)に発生しました東日本大震災の影響で、放送が延期しておりました
TVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の第11話・第12話の放送が決定いたしました。

 開始 03:45 終了 05:15 というのは見ている側も、もはやワルプルギスの夜。視聴者数は12話ラスト付近05:00頃でも7万7000人+程というかなりの人口でした。

 初見時は消化する時間なく次のエピソードへと進んだので、この回単独ではあまり記憶がありません。


 第10話から始まる終盤3回は、無理難題に挑む世界ゲームのメタプレーヤー・暁美ほむらに対する感情移入が非常に強くなる構成で、急激な私小説化が進んでいます。そのため、全編荒天の中この絶望的状況を一体どうやって解決するのか分からないという以上のことを考えている余裕なしです。

 時間停止術と対戦車ロケット足利義輝アンリミテッドブレイドワークス、迫撃砲弾幕タンクローリー激突、離脱して飛び降りた水中から現れる地対艦ミサイル、さらに追い打ちの巡航ミサイル、止めの爆縮レンズ式クレイモア地雷と一瞬の隙もないリズミカルな打撃で八方手を尽くして、それでも全く歯が立たないのなら、もう諦める以外ありません……


 時間旅行者が並行世界の因果を束ねてエネルギーにすること、キュウべえ族が人類をエネルギー生産家畜と割りきって考えているからこそ人知れず人類史に介入して繁栄させているSF要素はおもしろく、現実世界にうまく接続されるスケールアップ感に驚きました。あらすじ部でも書きましたが、この感覚は「伝奇」でしょうか?


 このエピソード終盤から始まるまどかの人間離れした極端な描写から「理詰めではハッピーエンドが書けない」という感覚が少し垣間見えます。

細か目の感想

  • この回で既に、まど神気味。
  • 視聴者にとって今回のキュウべえはとても親切。喋りっぱなしの解説がなければ、終盤の展開は理解できる話にはなりません。
  • まど母関係の描写は話が煩雑になるためほとんど省きました。
    • 上手いのか下手なのかよく分からないけれどリアリティがある描写に見えてしまいます。
  • 今見ると結構『寄生獣』っぽい人間描写をしている印象。時間操作能力を多用した結果精神が変質した暁美ほむらに対しては「ひょっとしておまえ……鉄でできてるんじゃないのか?」という『寄生獣』の主人公シンイチに与えられた言葉をそのまま与えましょう。(人喰い生物・寄生獣により得た力を使っての命の奪い合いを繰り返しすぎて、人格が極度に冷徹になってしまった)
    • もう死にかけているエターナル・チャンピオン暁美ほむらの睨みプレッシャーで「わたしの、最高の友達」まどかを後ずさらせてしまう最後まで接近させない描写が容赦なし。こういう緊張感を切らさない感覚がこの作品の好きな所です。
  • ワルプルギスの夜登場時、象が小さな使い魔を踏み殺す。あらゆる人語を阻む狂気感。第3話までのマミ変身での使い魔踏み殺しや、第10話のさやか魔女の鉄輪使い魔轢き殺しなど、コラテラル・ダメージやフレンドリー・ファイアに構わない存在は不条理と狂気にあふれている。
  • 非常に独特な解釈をしていることで知られる「夢のカグツチノ公国」の戸田聡原型の暁美ほむら*1は、ワルプルギスの夜タンクローリーをぶつけた後、身体をひねりながら画面手前にジャンプしてアップになるカットを最大のイメージ源にしていると思われます。時間的には1秒以下でしかないので、この辺りの描写が非常に好きでなければ多分覚えていないでしょう。以下の画像はその一部。認識できた方、できなかった方、どれくらいの割合だったのかちょっと気になっております。

    • 通常市販版がこれ。(宣伝を兼ねた解説)

2013年11月25日の追記:この作品は2013年12月25日にBDBOX版が発売されます

魔法少女まどか☆マギカ Blu-ray Disc BOX(完全生産限定版)
魔法少女まどか☆マギカ Blu-ray Disc BOX(完全生産限定版)