放課後は 第二螺旋階段で

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3月某日 / 大刀洗平和記念館で零戦を見る

 大刀洗平和記念館は大戦中の一大練習飛行場の跡地であり、九州飛行機の震電開発の拠点だった事も全面に押し出しています。建築年代が新しいためか、零戦がうまく太陽光を受けてきらきらと輝いて見える、光線にかなりこだわった配置が特徴的です。

 メイン展示物の零戦三二型は世界唯一の原存機であるらしいです。非常に綺麗で、一見フライアブルにさえ見えます。どれくらいオリジナル部品が残っているのだろうか?

 この個体は靖国神社等で見た他の零戦とは仕上げが若干異なる印象も受けます。リベットは周りを凹ませて無理矢理埋める貧乏枕頭鋲ではなく、通常のリベットの頭を削って作った皿ネジのような現代的なもので、これだけでも高級感は別物となるのです。

気になったディテールを散文的に並べると‥‥

  • 零戦に並べて展示されていた九九式二号機銃 (海軍20mm機関砲)はイスパノ20mmのように長く、この大きさには驚く。全長は1880mm程度。
    • 後日調査の結果、三二型はほぼ全てが九九式機銃の中でも短砲身の別タイプを使用していたと判明。
  • プロペラのエッジは真に刃。ムクのアルミといった所です。
  • シリンダーヘッドのフィンはタテヨコに並んでいて、斜めのラインは存在しない。
  • ところでここ、零戦が展示されているけれど陸軍飛行場では?


1/72 ウォーバードコレクション No.84 三菱 零式艦上戦闘機 三二型 60784
1/72 ウォーバードコレクション No.84 三菱 零式艦上戦闘機 三二型 60784
四角い翼端が特徴の零戦三二型


 続いて、さらにこれも世界唯一の現存機、九七式戦闘機を見る。

 照明が非常に暗いため細部は分かりにくく、表面が随分とつるつる、のっぺりとしていて、エンバーミングを受けた死体のような印象を受けてしまいました。博多湾の海中から引き上げられたこの機体に一体どれほどのオリジナル部品が残っているというのでしょう。ほんの僅かな残骸の芯にハリボテをかぶせている印象は否めません‥‥

 爆弾架そのものがシャックルのような構造で、弾体に取り付けられた四角いリング状の構造物にバーを通して(?詳細不明)固定する、今と全く異なったメカニズムを使用している所を見られたのは印象に残りました。むしろ逆に、なぜ今の通常爆弾はつるつるの表面でパイロンに固定できるのか疑問です。

大刀洗と私

 この博物館の近辺は親が幼少期を過ごした場所で、移動中はその思い出話を聞きました。内容は公開できませんが「物質的には恵まれていたが愛情には恵まれなかった」とまとめる事はできます。「創作では三世代に渡って続くテーマを題材にすると自然に上手く描ける」という説がありますが、自分の場合はこれが絡んでくるでしょう。