放課後は 第二螺旋階段で

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NHK-BS海外ニュースのススメ

 日本のゴシップだらけのニュースやコメンテーターにうんざりした方、ビジネスや株等で海外との取引が多い方、そしてひと味違ったネタを仕入れたい方にお勧めするTV番組、それが NHK-BS1 で放送されている海外ニュースです。

 この海外ニュース、番組表では単に「ワールドニュース」となっていますが、枠ごとに特徴があり見方にコツのようなものがあるためそれを紹介します。

 時刻は24時間式を採用しており、録画を利用し早送りが可能と仮定します。いずれも1本は50分です。

 BS1海外ニュースは中東情勢・イスラム専門家の池内恵も推薦。実はNHKBS1はすごいインテリジェンス情報の塊 – 中東・イスラーム学の風姿花伝

まずはここから入門‥‥強くオススメする枠

7時から キャッチ!世界のトップニュース

 日本時間の深夜早朝帯が日中となる欧米圏のニュースハイライトまとめと、日本の常識だけでは分かりにくい経緯をあわせて紹介。さらに毎日1本の解説委員つき特集。これだけでも各国事情に関してはかなり詳しい人になるでしょう。おまけとして珍しいお祭り、かわいい動物など小ネタも1本入ります。

 時差の関係でヨーロッパ・ロシア・極東アジア・東南アジア中心でアメリカの話題には若干弱いです。

 金曜日の特集は「ライフ」として世界各地の特徴的な生活・新しい生き方を紹介。
 だいたい毎月初めの金曜日は「映画で見つめる世界のいま」として東京大学大学院の政治学の教授・藤原帰一が映画を2~3本ほど紹介します。(藤原帰一先生の忙しさ等によりどの金曜日に放送されるのか若干ばらつきがあります)
 土曜日は通常の特集に加えて「@NYC」としてニューヨークのちょっとおしゃれな生活を紹介するコーナーが放送されます。

 世界の天気は日本を含む各国特有の気候・気象現象の紹介が毎日行われ興味深いです。

夜にリアルタイムで見るなら‥‥

22時から 国際報道2017

 私はあまり見ていませんが、日本を中心に世界との関係を見ていく傾向があるように感じます。海外に強い普通の堅い報道番組といった感じの作りです。趣味性低めかと思います。

ここが本編。ちょっとマニアックに行きたい。国別に細かい事情を知りたいなら

4時から ワールドニュース・アジア(シンガポールCNA・韓国KBS・中国CCTV・上海東方衛視・香港TVB・タイMCOT・ベトナムVTV・フィリピンABS-CBN)

こういう方にオススメ:東南アジアとビジネスで取引のある方・東南アジアのカオスな社会に興味のある方・韓国情勢をいち早く知りたい方・近年経済が熱いシンガポール情勢に興味のある方・中国の普通のニュースが見たい方

 ややとっ散らかった感じのオススメになっていますが‥‥。

 同じ中国のニュースでもCCTVより東方衛視の方が庶民的といいますか、政府発表というよりは民間向けの内容が多い印象です。

 東南アジア諸国で相互に情報を出し合う形になりがちなので、それをこの枠で統合して見ると全体の雰囲気が分かる仕掛けになっている感があります。

 この枠はあまり見ないので正直に言って理解度は低いです。放送休止も多いです。視聴者が少ないのでしょう。

5時から ワールドニュース(イギリスBBC・ドイツZDF・オーストラリアABC・ロシアTV・香港TVB・インドNDTV・曜日によりトルコTRT)

こういう方にオススメ:EU情勢に特に興味のある方・自動車業界の方・ミリタリーマニア(ヨーロッパ・ロシア系)・アジア情勢に興味のある方(香港・インド)

 ここが私的に最も見応えのある枠です。

 BrexitEU離脱のイギリスと「盟主」たるドイツが同時に含まれる枠です。この二ヶ国が含まれるため産業ニュースが最も充実しています。

 最近はフォルクスワーゲンを初めとする多数の企業のディーゼル排気スキャンダルと技術カルテル問題が大きな話題でした。

 ほか、歴史を重んずるイギリス、ドイツ連邦軍とロシアとの緊張の高まり、そしてアフリカ大陸との摩擦と平和維持活動も見られます。

 ロシアは国営放送からミリタリーファン向けの内容を多めに抜粋しているため、Su-57やT-14、あるいは無人戦車ウランといった新兵器とそれが参加した航空ショーや演習、そして大祖国戦争第二次世界大戦)の歴史物語がいち早く詳細に見られます。民間産業も鉄道・航空などメカ系の楽しみが多いのが魅力です。それに加えて文学と舞台芸術の国でもあり、見応えたっぷりの内容となっております。

 オーストラリアは日本においてイメージがあるようでない国で、予想外に初めて知るエピソードの連続となるでしょう。対ニューギニアインドネシア・マレーシア方面でかなり高圧的な態度を取る事が多く、これに関しては知れば知るほどに嫌いな国になる可能性が高いかと思います。英連邦の一角であるため、一歩引いてのイギリス関係情報のほか、国によらない各地情報にバランスよく強いのは地味な長所です。

 香港TVBは1980~90年代を過ごした方なら憧れたあの魔都香港が中国の一介の大都市へと成り下がっていく様に寂しさを覚えずにはいられないでしょう。

 インドNDTVは、人権問題、ゲリラとの戦い、中国とのカシミール地方での争いなど新大国の危うさを知る事ができます。


 イギリスBBCとドイツZDFは特にバランス感覚が良好で、落ち着いた情報を得られるかと思います。いずれにしてもEUがどれ程までに難民に悩まされているのかはっきりと見えるようになります。

 ロシアTVは政府を翼賛するような極度に偏向した内容である事を意識して見て下さい。ウクライナ東部占領でさえ完全なる正義であり住民は全員が歓迎しているという主張を行っている程です。これを完全に真に受けてみると、「西側世界」の主流からかけ離れた思考メカニズムを構築してしまうのは間違いないでしょう。ただし「力により正論を作り上げる」という思考方法を学ぶ事ができるという側面もあります。

6時から ワールドニュース(フランスF2・カタールアルジャジーラ・ロシアTV・イギリスBBC・アメリカブルームバーグ・中国CCTV・曜日によりブラジルバンデランデス

こういう方にオススメ:フランスに特に興味のある方・UAE、サウジ、カタールなどアラブ圏情勢に興味のある方・イラクとシリア情勢に特に興味のある方・ミリタリーマニア(中東・ロシア・中国系)、株式等投資を行っている方

 この枠にも5時と同じイギリスBBCとロシアTVが含まれています。内容は全く同一です。

 フランスはイギリスやドイツと比べるとやや軽めのノリの印象を受けます。国内政治ニュースが多いためフランス事情に興味がある方向けの面が強いです。フランスそのものがドイツと比べるとEUにあまり関心を持っていないようです。

 カタールアルジャジーラは唯一の中東からの放送。カタール視点でUAEやサウジと思い切り対立しているため、たまに発言内容が狂っている事があります。対イスラム国戦争の推移が最も詳しく見られるのが特徴です。google mapやgoogle earth 片手に地名を引くと展開がよく見えるでしょう。スターリングラードのごとき地獄の駆け引きが繰り広げられている事がよく分かります。

 アメリカの経済ニュース、ブルームバーグを見られるのはこの枠が唯一です。株価の動き・経済トピックス、あるいは各種先物取引の相場を俯瞰的に見る事ができます。AppleNVIDIAなどハイテク企業の多くはアメリカにありますので、そういった産業の傾向をつかむのが容易になります。本格的に投資をしている方は専門のニュースチャンネル・サイトなどと契約しているでしょうから、この放送のスピードには何の意味もないんでしょうけれどね‥‥

 世界情勢の不安定性と無関係に日々最高額を更新し続けるダウ平均を見て何もかもがバカバカしくなるのもまた一興。

 中国CCTVは時間数が短く、共産党の党内政治の話題があまりに多すぎるため、ちょっと見どころが分かりません。現代のシルクロードとも云える一帯一路構想に関しては興味深い話題が日々伝えられています。軍事演習の映像はまだ謎の多い中国兵器が無限に登場するためミリタリーマニア的に見応えがあります。

8時から ワールドニュース(イギリスBBC・韓国KBS・スペインTVE・アメリカABC・フランスF2)

こういう方にオススメ:韓国情勢に特に興味のある方・スペイン(バスクカタルーニャなど)に興味のある方・ミリタリーマニア(韓国・北朝鮮関係)

 この枠はややまとまりに欠ける感がありますが、日本と関係の深い朝鮮半島情勢に強いのが大きなポイント。

 イギリスBBCも5時・6時のものと内容が異なっています。(現地での放送時間が少し後のものを使用しています)

 スペインは分離運動の活発さに驚かされます。カタルーニャ政府首相プチデモンさんの名前を聞かない日はないといった位です。

 アメリカに関しては一般ニュースで報道される内容がかなり充実しているため、この海外版を見て新たに得られる情報は比較的少ない印象です。一般ニュースを取り除いた結果、銃乱射もしくは台風や山火事といった自然災害ばかりになってしまった感があります。

16時から ワールドニュースアメリカ(アメリカPBS・アメリカABCナイトライン)

 アメリカ情勢に関してはこれを見れば相当詳しくなれるのは間違いないですが、見る事があまりないのでちょっと詳しいことは分かりません。

 現地時間が夜間遅めの番組で落ち着いた雰囲気のため、深夜勤・早出の方が眠る際のBGVとして流すのに向いているという地味なメリットもあります。

スーパーマニアック編。同時通訳者の演技を聞く。

 最後に私のオススメの(?)同時通訳者を紹介します。

  • リン・ヘイシュウ 韓国KBS・朝鮮中央テレビほか担当。「演技派通訳」というニックネームが付いていて一部に熱心なファンがいます。「無慈悲な鉄槌がソウルを火の海にするだろう」「核兵器は使用する兆候を見せた段階で平壌を地図から消滅させる」といった定番フレーズから、「プライバシー保護のため音声を変えてあります」まで演技で表現する芸達者ぶり。
  • 清水柳一 ロシアTV担当。舞台演劇出身らしくリン・ヘイシュウに次ぐ演技派です。ただしロシア語翻訳の難しさのためか少し抑えめ。プーチン大統領の詰めの怖さの表現は、日本のインターネットで人気のプーチン像を思わせるものがあります。「何か反論したい事でもあるんですか?」
  • 甲斐公朗 ロシアTV担当。やや大時代的な言い回しがロシアの雰囲気に合っています。「捜査の結果犯人を特定しました」「なぬ」

スーパーマニアック編2。フィラーで流れる映像はどこ?曲名は?

 海外ニュースの枠は毎時50分まで取ってあるのですが、時間ぴったりの内容を詰め込むのは不可能なので必ず2~5分程度の長めのフィラー映像が入ります。その場所と曲名が分かる限りリスト化。


  • 上記と同じ市街地空撮でクリスマスシーズンの間は The Manhattan Transfer - Santa Claus Is Coming to Town



  • 南の国の水中(場所不明) 曲は Jaco Pastorius - Forgotten Love


  • 寒そうな山岳地帯空撮(地域不明。北欧かアイスランド辺りに見えますが‥‥) 曲は Radiohead - Nude



  • 砂浜と小さなカニ(確かシカゴ・ミシガン湖周辺だったと思います) 曲は Kenny G - Stranger on the Shore


  • キューバで走っているような古いアメ車が地平線の見えるような景色の中を行く(車種名不明。キャデラックか?この頃のアメ車はイヤーモデル性を採用しているため毎年デザインが異なり特定が困難)