放課後は 第二螺旋階段で

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「女王の百年密室 GOD SAVE THE QUEEN」 森博嗣

女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN―
Amazon.co.jp: 女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN―

 2113年が舞台のSFミステリィ
 完全な消失を意味する「死」の代わりに、いつか目覚めが来ると信じられている「永い眠り」が実行されている小さな閉鎖都市「ルナティックシティ」で殺人事件が発生する。
 しかし街の人々は被害者についてただ「永い眠りにつくことになりました」と言うだけ。そして、「犯人を捜すことに一体どれだけの意義があるというのか?」と問いかける。
 街の外からやってきた主人公「サエバ・ミチル」はそんな中、ただ一人犯人を探す。


 何を信じるのかで見えるものや物事の意義が全く違う世界。事実とそれを認識することの間にある壁。



「人間は雷に襲われ、雷に怯える。嵐に襲われ、嵐に怯える。さて、私たちは、雷に復讐しましたか?嵐に復讐しましたか?」
「相手が人の場合は別だ」
「どうして?人は人にだけ、何故、復讐をするの?どこで間違えたのですか?」


 作中人物たちの「哲学っぽい気の効いたやりとり」は作品世界と相俟って非常にカッコ良くて良い。


 主人公といつも一緒に行動している「ロイディ」というキャラクターは上手いと思う。人間の常識が通用しないメカニックの可笑しさと、いつも一緒の必然性。



 続編が次々と出る本は読むのにかかる時間の都合上敬遠しがちだけど、これの続編の「迷宮百年の睡魔」は是非読みたい。ちなみにぼくは普段ミステリィを一切読まない。(併読し辛いから)


圧倒的に上手い書評サイトへリンク・・・あらすじ等はここに任せます。
—‰¤‚Ì•S”N–§Žº

追記

 はてなダイアリーキーワードで「ロイディ」という名の人工無能があることを知った。
 解説文に「人間同士の会話のみから学習するというのが特徴。」と書かれていて、作中の「ロイディ」の性格とも合っているので、これが元ネタになっているのかな?