放課後は 第二螺旋階段で

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聲の形 山田尚子監督の舞台挨拶 博多編 要約レポ



 以下、その場のメモもなく記憶で書いているため話の順番・表現など若干ずれている部分があります。念のため‥‥。


 「26回目の舞台挨拶で、目の回るような忙しさです。ここ福岡なんですか?というような状態です。つい先ほど到着した状態です」「楽屋の赤いお面(博多にわか)くらいしか福岡感ないよ〜」

 前日に宮城県利府→仙台→札幌を回って、それからこの博多→北九州というハードスケジュールで、見た目にも疲れている様子でした。ところで、右手に腕時計(?)左手にマイクを持ってお話しになっていたため、左利きなのでしょうか?(「左利きの人は何だかひょうひょうと生きているような感じがして憧れる」by鶴巻和哉

 「福岡は2年前の京都アニメーション社員旅行で来たことがあり、中洲でラーメン食べたりしました」

 「福岡といえば、姉が熱烈なチェッカーズファンで久留米にあこがれがあります。久留米から来た方は?」片手で数えられそうな位ですがちょっといます。
 「(聲の形を映画館で見るのは)この回が始めての人は?」これは半分くらい。どこでも同じ位の割合だそうです。

 「今作はテレビシリーズがなく一発勝負なのが大変で、打ち合わせを特に何度も繰り返しました。重なって何度も来る人に飽きさせないようにちょっと言い方を変えたりしたけれど、今考えると『言っていることが違う〜』と若干混乱させたかもしれない笑」

 「手話監修は劇団の方に台本・絵コンテを渡して演技をしていただき、それを参考にして作画して、その仕上がりをさらにチェックしてもらいました。手話は動きだけでなくタイミングでも意味が違ってくるので、最後の方まで直してました。キャラデザの西屋太志さんは『完璧なはずや!』と言ってました」

 「手話といえば植野は最後に『バカ』と言おうとするのですが、濁点を付ける身体の外側に払う動きを入れなかったから『ハカ』になっているんですよ」
 「この手話が分かった方は?」1、2名くらい。
 「それを硝子が『バカ』はこうするんだよと教える事で結果として『バカ』と言っているという‥‥ちょっと可笑しくて、感動的で‥‥それに可愛い場面なんです!」

 司会者「最も好きなキャラクターは?」
 「いろいろなタイプの監督がいらっしゃいますが、自分はキャラクターに投影しないタイプで、将也の物語なのでやっぱりこの人が鍵になりました。動き出すまでなかなか時間がかかって大変でした」

 「キャストのみなさんが『キャラクター』ではなく『人物』として寄りそって真摯に作品に向かって下さり感激でした」

 「ディープな話多めになりましたが、楽しんでいただけたでしょうか?」(拍手)

 「(入場者特典の)ポストカード、大きくて、手ぶらで来られた方にはすいません笑 将也を持って帰って‥‥笑 来週からは硝子のポストカードになります」

 「今6週目で、これから7週目。長い間上映していただいて‥‥。皆様の心の中に残る作品となると嬉しいです」

わたくし的感想

 手話作画の恐るべき仕上がりにかけた誠実さは予想のはるか上を行く感です。何事からも逃げずに真正面から取り組むこの作品の強度を裏打ちしています。

 『映画けいおん!』『たまこまーけっと』で感じていた独特な客観性については監督の言葉ではっきりと確認できて、自分の見方・感覚の正しさが証明されたような思いです。

 この舞台挨拶はディープな話を聞くために行ったので、大変楽しかったです!次回作はずっと先でしょうけれど、舞台挨拶でも、何らかのイベントゲストとしても、来んしゃい福岡。

伝説的戦闘機最後の戦い 「F-14トムキャット オペレーション イラキフリーダム:イラクの自由作戦のアメリカ海軍のF-14トムキャット飛行隊 オスプレイエアコンバットシリーズ・スペシャルエディション01」 トニー・ホームズ 翻訳:平田光夫

 タイトル長い!

 F-14最後の戦闘任務である2003年の「イラクの自由作戦」を本書独占のインタビューと写真で綴る証言集です。当時厚木基地に駐留していたVF-154 ブラックナイツも大々的に取り上げられています。

 何故この本を読もうと考えたのかはあまりにも昔ですっかり忘れてしまいました‥‥。

 元々の開発目的である防空のシーンはなく、TARPS(Tactical Airborne Reconnaissance Pod System 戦術航空偵察ポッドシステム)とLTS(Laser Targeting System レーザー照準システム)そしてFLIRを使った泥臭いCAS(Close Air Support 近接航空支援)やFAC(A)(Forward Air Controller Air 空中前線航空統制)とその戦果確認といった地上部隊との緻密な連携を必要とする任務が続きます。AIM-54フェニックスのエの字も出ません。

 想定外の地上攻撃機となったF-14ですが、複座ならではの高い情報処理能力により錯綜した状況で攻撃と偵察を1ソーティでこなすなど大変な芸達者、八面六臂の大活躍で、本書に描かれた状況を知ることでF/A-18スーパーホーネットでも複座のF型が重用される理由がよく分かります。パイロットがミサイル回避や地上の大局的状況把握に専念している最中でも、後席のRIOが支援すべき地上部隊との無線周波数合わせや連絡を行ってくれるのです。

要素レベルのメモ

  • アメリカ空軍は大規模作戦時、空中給油など燃料マネジメントを専門とするAWACSを飛ばしている。
  • 空中での同士討ちを防ぐためか、SEADの効率改善のためか、イラク上空への突入路はある種の「空のハイウェイ」が設定されていた。
    • 闇夜のバグダッド上空、30kmは先行するF-16CJワイルドウィーゼル隊が放ったHARMが先を争うような物凄い速さで着弾するのが非常に良く見えたという情景が印象的。
  • レーザー誘導爆弾は臨機応変に目標を変更できるため現場で好まれた。GPS誘導のJDAMは事前調査による座標指定のため上層部に好まれた。動目標・固定目標で使い分けるのが理想像。
  • F-14のレーザーターゲティングシステムを用いてAH-64アパッチのヘルファイアを誘導するシーンが出てくる。非常に珍しい。このような相互運用性は設計段階から織り込み済み?
  • 「弾道対空ミサイルを上方に目視したので急旋回して回避した」といった趣旨の証言が出てくる。射程延伸のために一度超高々度まで上がって上から襲いかかるタイプの飛行プロファイルを持つミサイルを指している?
  • イラク戦争F-14は基本的に機首右側空中給油プローブカバーパネルを取り外していた。給油時に引っかかって脱落した際、エンジンインテイクに吸い込まれ停止する事故を防ぐため。対地攻撃優先で超音速域でのシビアな空力特性にこだわる必要がなかったのも大きいと思われる。
  • 翻訳はかなり堅く読みやすいとはとても言い難い。私的にはもう少し漢語を使って欲しかった。日本語は漢字という略称に適した文字が使える言語ですから。新聞報道などによる定訳も使って頂きたかった。ただしイラク戦争F-14最後の活躍を知る事ができる本はこれただ一つ。
    • OIF(Operation Iraqi Freedom)でなくイラクの自由作戦、OSW(Operation South Watch)でなく南方監視作戦またはサザンウォッチ作戦など。

次に調査したい派生分野は‥‥

  • F-14Dの地上攻撃用ポッドコレクション。DはF-14でも唯一JTIDS(統合戦術情報伝達システム)に対応している。
  • イラクの自由作戦のほかの固定翼機たちの動き。