感情が生じさせた涙は
時間を封じ込んだ水球
生まれてから一度も、怒ったり喜んだり悲しんだりしたことのない少年、本海宥現。家族との感情の絆を持たない宥現は発砲事件にをきっかけとして、砂漠の旅に出た。
砂漠には、街に住むことを拒絶する人々、旅賊がいる。夜の砂漠で、火を囲み、ギターをかき鳴らし、踊る旅賊の中に、運命の女・魔姫がいた。
だが、突如、砂の中から現われた、戦車のような巨大なマシーンが、宥現と魔姫の間を非情にも切り裂く。それは、すべてのものを破壊しつくす過去からの殺戮者だった…。
この著者の小説の巻頭の言葉は、毎回最高にカッコいい!けれどこの作品自体は、どうしても、解れない。
全編を通して扱われる、過去・現在・未来についての考え方と、主人公本海宥現の感情との関連性は…?
死者の町で腐敗せずに生活し続けるために、ただひたすら意味が無い役割を演じ続けることになる「墓から墓へ」は不思議で面白かったけど。