放課後は 第二螺旋階段で

「どうなるもこうなるも、なるようにしかならないのでは?」 筆者の気の向くままに書き連ねるクラシックスタイルのblogです。

9月某日日記 / 生きているオーパーツ

 ついにバイクが納車された。私が判子を押すか押さないか以外の全てを整えてからさらに半年は経過してからの行動で、何の意味のない大きな隙間を空けてしまった。「今日が残りの人生で一番若い」とは言うのだけれど……。それはともかくとして、導入に成功したのでした。

 きょうだい家族の目の前で受け取ったため、この車両に最初に「乗った」のは私ではなく赤ん坊の姪に。書類関係の作業中にいつのまにやら微笑ましい写真を撮影していたのです。

 その後は私が乗っての撮影を何枚か。走り出しのシーンは非常に絵画的な構図で撮ってもらいありがたかった。さすが高校美術部部長経験者、伊達じゃない。

 走り出すと、恐ろしくスムーズなエンジン、手放しで直進し交差点さえ曲がれそうなハンドリング。何とよくできた機械なのだろう。力尽きるまで降りたくない程だ。もはやバイクになりたい。二輪版パラダイスシティに行きたい。パラダイスシティは『バーンアウト・パラダイス』の世界で、ピクサーの『カーズ』のように人間はいない。尊敬するゲームライター、原田勝彦の生前の日記によく登場していた。


 この車両のエンジンは1980年代の好況期に設計されたものがほぼそのまま使用されているため、バブル景気からバイクブームの頃の若者たちが体験したフィーリングはこれなのだろうというネオヒストリックマシンに対するような感覚も湧いてくる。当時の彼らはきっと未来から来たマシンのように感じただろう。私にとってのノスタルジーは「空冷単気筒」よりも「ハイメカ」という失われた未来にある。



東本昌平 RIDE90 (Motor Magazine Mook)
東本昌平 RIDE90 (Motor Magazine Mook)