- 作者:ドナルド・キーン
- 発売日: 1975/06/10
- メディア: 文庫
この本は🐉🦇🐃🦀🐍🐴🦗🦏🦢🐅すき!いいね!元気もりもりご飯パワー!! (@KANOEYuu) | Twitterさんの影響で読みました。
2011年の東日本大震災後に日本人となったことが話題になったキーンドナルド先生の回想エッセイです。
アメリカで生まれしかしそこに居場所が無いような感覚もあり、父の仕事の関係でフランスに親しみ、コロンビア大学時代に偶然日本語を学ぶ機会を得て、第二次世界大戦においては日本兵の残した日記―大義のために戦い抜く、ただ帰りたいだけのアメリカ兵とは違う―や捕虜への質問を重ね、戦後は英国を経て来日と、幾多の偶然の結果日本との結びつきを強めていきます。
この方は何といっても出会いに恵まれています。人的恵みの総量に乏しい私は「たとえマイケル・ジョーダンでもNBAに入らなければ何にもならない」という最近見かけた思い起こしますね。私の思考思想が問われるのはいま、ネット上で見えている分が全てでしかないので、トーク感覚での思考力は全く減衰してしています。
まあ三島由紀夫や安部公房らと知り合うのと比較するのはちょっと極端ですが‥‥
細々メモ
- パリの街はシャルル・ド・ゴール政権時代、アンドレ・マルロー文化相により煤落としが行われたという。フランス映画のくすみとビビットが立つ二面的な色彩はこの影響?
- 月夜の龍安寺を訪れた際、庭に見惚れているところいつの間にかお茶が出されていたというエピソードはこの本にあります。
- 日本語が上手だとか「外人」扱いされるのにうんざりする話が多々。
- 三島由紀夫に対する感想が総括的にまとまっていた。
三島さんはたえず演技していたが、どんな役を演ずる時も真摯だった。ボディービルをしている時も、また、自衛隊に体験入隊している時も、一緒になる人々とのつきあいをたのしんでいた。こういう人々と知的に満足いく会話を交わすことは多分できなかっただろうが、三島さんは文化人とのつき合いよりはそちらの方を好んでいた。明らかに彼は、直情径行で、複雑なところのない行動的な男という役をたのしんでいたからだ。