放課後は 第二螺旋階段で

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気象にさえ if はない 「検証 戦争と気象 天気晴朗なれど波高し」 半澤正男

 この本は id:a-park さんの影響で読みました

 気象の専門家から見た戦史についてシミュレイター誌に連載されていたコラムを集成したものです。

 このような形でまとめられると、電信実用化以降の情報収集網に対して全く予測不可能な天候変化は存在しないのではないかとさえ思えます。奇跡として名高いキスカ島撤退作戦でさえ、90%以上の確信度で霧が発生すると読み切っての行動だったのです。

 気象予報という行為そのものが現代で云うビッグデータ、データサイエンティストの源流なのかもしれません。


■要素レベルのメモ

  • 巡洋艦畝傍が行方不明になった原因として落雷による弾薬誘爆説が。当時のシンガポール沖での荒天、大量に搭載された火薬類、洋上のマストほど落雷を受けやすい構造のものはないという状況の組み合わせにより納得感があります。
  • 第二次世界大戦前の段階でも水中探信儀のために水中海水温分布・海中塩分濃度分布などの海洋測定が行われていました。このように注力していた割には日本海軍の対潜戦闘力はちょっと低すぎではないでしょうか?
  • 第二次世界大戦におけるアフリカの戦いが行われていた地域は緯度的に鹿児島と同じ位でしかないようです。