(以下エントリは、2014年に発見された2012年製作の「『東のエデン』試聴メモ」を元に製作されています。元になった作品である「東のエデン」は2009年作。年収300万円時代が提唱されたのは2003年頃であり、それが懐疑的に見られていた時代の作品であり、今やこの数字を疑う者のほうが少数派ではないかという時代に移り変わったため、その流れを幾ばくか可視化できないかという思いから、この復元を製作しました。)
『東のエデン』が作られたのは2009年。わずか3年前とはとてぬも思えないくらいに遠い時間的断絶の向こうに行ってしまった感のある今作を鏡として今の感覚をみる試みです。
- あらすじは全く省略。
- 2009年はまるで冷戦中のように昔のことに思える。*1
- 登場する大学生たちと同じ1989年生(昭和64年、平成元年)が大学を卒業している時代になった。
- 放送当時20歳で大学2年生、現在23歳位。
- 登場する大学生たちと同じ1989年生(昭和64年、平成元年)が大学を卒業している時代になった。
- 話の密度の高さ上げ方が技術的に優れている。「これからどうなる?」という不安の持たせ方と、問題と解決法両面の予測不能性がアメリカドラマ的。*2
- アメリカドラマ的展開というのは、大きい問題を非常に細かく砕いて時間軸方向に細長くばらまいたような構造というのか…割と一次元的な展開。『魔法少女まどかマギカ』(別に『男たちの挽歌』でも良い)のように、多方向の問題が「最後の奇跡の一手」で解決される方向に集束しない。
- アメリカはこの頃本当に力強かった。今は随分とボロボロになってしまったが…*3
- 自分で実際にアメリカの非観光地に行ってみたところ、滞在中は貧しい国だと感じたのに、日本に帰るとそれと全く比較にならないくらいひどく貧しかったという記憶が強く印象に残っている。
- 背景の描き方が16:9化以降HD化以前の中間時期らしい大雑把さ。写真をちょっと加工して作ったくらいの単調さで絵柄感は皆無。
- OP映像の作画してなさが珍しい。3DCGの使い方に急激な進化が起こった3年間が経過した後でも格好良い。EDも。
- 主人公の滝沢が魅力的でみんなが好きになるのはよく分かる。何故そうなのかは未解明。全肯定的包容力と実行力有る正義マンの開放感が合わさってのもの?これをうまく解き明かすことができれば新たな主人公像が得られるはず。