放課後は 第二螺旋階段で

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Rの法則 生放送「ニュースWEBティーンズ9月号」(ゲスト:新海誠)要約

 この番組はNHK Eテレで19時頃に放送されている、高校生の流行を紹介するものです。『君の名は。』が興行収入100億円を突破し大ヒット作家となった新海誠監督に高校生が生の声でインタビュー。

質問「監督は40代なのにどうして女子高生のリアルが分かるんですか?」

 この若干失礼なコメントは笑いましたが実際その通りで気になります。

「基本的に想像です。想像もなんか変な響き方するかもしれないけれど笑 どんな作家も自分と違う人生を描く訳だから、それでするのは徹底的な想像です。先ほど『もし私がこういうシチュエーションだったらこうする』と言っていましたが、ぼくも同じ」

「男子高校生も40代も、だいたい一緒なんです。そんなに大きくは変わらない。色んな事に慣れていくし、色んな知識や経験は付くけれど、あのとき苦手だった事は今でも苦手だったり。あのとき好みだったタイプの女の子が横にいると今でもちょっとドキドキしたりする笑」

 この質問に関連する話として、2011年04月23日のNHK-R1(AMラジオ)で放送された『渋谷アニメランド』(ゲスト:新海誠星を追う子ども監督)でのインタビューが非常に強く印象に残っています。
 以下の引用部は放送当時のメモの表現を若干洗練させて再録しています。

新海誠がヨーロッパにしばらく滞在していたとき、語学学校に入って、アジア人なので若くは見られるけれど35歳くらいの自分が18歳くらいの年下の生徒たちに混じってクラブに行ったり野球をしたり、そして宿題をしている間に中高生の時のように自分の見たい物語や絵のことを考えていた話が良かった。

 「語学学校」というコミュニケーションに対して意識的になる場と、それを語る新海誠の声が相まってとても叙情的でした‥‥何らかの機会があれば是非再放送していただきたい番組の一つです。「渋谷アニメランド」はおそらく最もディープでラジオ界のアニメスタイルといった楽しみがあり大好きなシリーズでした。

質問「なぜ上京した時のリアクションをリアルに描けるんですか?同じような経験をした事があるのでしょうか?」

「長野県出身なのでその当時のドキドキを描きました。でも東京以外の出身の人‥‥モネちゃん(上白石萌音、君の名は主演でこの番組レギュラー)も鹿児島出身でしょう」

「どの電車に乗ったらいいのか分からないし、山手線もどちらが上りでどちらが下りなのか今でも分からない‥‥こんなに巨大なビルがこんなに建っていて何だかすごいピカピカしていて。『圧倒的な場所に来てしまった』という感覚を三葉にも表現してもらいたくて」「若干オーバーに表現してます」

質問「監督は高校生の頃どんな恋愛をしていましたか?」

 直球の質問です。

「ぼくはああいう経験はないですね。モネちゃんはどう?」「ぼくのイメージでは(モネちゃんは)人見知りしてしまう所があって、簡単には相手の所に踏み込めなくてもじもじしてしまうような像がある」
「ぼくもそんな感じで人の恋愛を見ていました。片思いばっかりで、声もかけられなくて。でも友達と自分の好きな人が付き合っているのが分かってショックだった時も、その二人の行動を見て『ああ仲よさそうだな』という」
「あの時見ていた高校生の距離の、付き合ったばっかりで、でもまだお互いのことをよく知らなくて、でもお互い好きっていう気持ちだけがお互いの方に傾き合っていて気持ちがくっついている感じとか、こういう風にちょっかい出したりとか、気楽に背中を叩いたりとか、そういう関係性があると」

質問「『君の名は。』の『。』はどういう意味なんですか?」

「色んな意味を込めたのですが、この後『君の名は?』『君の名は‥‥』となったりする場面が映画にあります。『君の名は知っている』と続く場合もあります。色んな展開があるのでこのタイトルにしました。ぼく自身の集大成という気持ちもあります」

質問「監督は次回も10代が活躍する作品を考えていますか?」

「まだ白紙なんですけれど、ただやっぱりぼくが思春期の時に一番アニメーションやマンガを一番必要としていたんですね。学校が辛いときや友達関係がうまくいかないときに助けてくれたので。その子たちに届くものを作りたいという気持ちはある」

ラストの新海誠コメント

「いや〜楽しかったけれど、なんだか久しぶりに学校に紛れ込んでしまったような気分で笑。高校生って、10代って、元気で、こんなにパワーにあふれていたんですね。貴重な機会をありがとうございました」

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今や言わずと知れた感のある『君の名は。』プロトタイプとなった作品です。フォトリアル路線だった新海誠の世界と田中将賀のアニメらしいキャラが化学反応を始めた。その発火点。