放課後は 第二螺旋階段で

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CODE46

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徹底した管理社会になった近未来。上海でパペル(パスポートとビザの機能を持つ滞在許可書)を製造・発行する会社で、偽造パペルが作られていると通報があった。調査員ウィリアムは、社員のマリアが犯人だと突き止める。しかし、彼女にひかれた彼は、本社に嘘の報告をするのだった。
作品を発表するたびに、まったくカラーの違う映画に挑戦してきたマイケル・ウインターボトム監督。『CODE46』は、近未来を舞台にしたラブストーリー。とはいえ、SF映画にありがちの徹底にして作りこんだセットではなく、上海ロケを敢行。急速に発展していく上海の街が異次元の世界のようにファンタジックに描かれ、その美しさに目をみはるばかりだ。でも愛し合ってはいけないふたりが出会い、愛し合っても、それを社会の掟が引き裂いていく姿は、切なく虚しく哀しく胸に響く。管理社会の犠牲になり、愛する心を奪われてしまうふたりをティム・ロスサマンサ・モートンが好演している。(斎藤 香)
はてなの商品紹介ページから転載。


 劇中に出てくる「調査員が使う人の心を読めるようになる共鳴ウイルス」や「許可証がないと出入りできない都市」等シナリオや世界をつくる要素への理由付けや原理への説明はほとんど行われず実体性がまるで無いのは面白いとも言えるし、ダメだとも言えそう。自分は寓話的で面白かったけど・・・
 寓話的な設定や小物と、現実化した「ガタカ」のような造形の街「上海」の無機質的格好良さ、そしてそれらの印象をさらに強くするもの悲しい雰囲気の音楽で描かれる、人間が作った人間の力ではどうしようもない機構に引き裂かれる二人。でもそれで良いのだと言うかのようなエンディングは切なすぎです。