前回のラスト、力石に勝負を挑んだジョー。だけどここは少年院。刑務官から止められて、西からも「子供達が心配しとるやないか」と言われ、ジョーは席に戻るのでした。
肩透かし!
一度は再開された劇も、ジョーはつまらんと言い出して劇場の電気を消して出て行ってしまう。
「白木葉子がエスメラルダ姫だなんてミスキャストもいいとこだぜ」「お先にバイバイセニョリータ」
そのジョーに力石徹がついて行く。
「つかまっちまったか」
ジョーは力石に喧嘩を挑み、力石もそれに応えるが、白木葉子の「おやめなさい」という声に力石徹のほうは動きを止め、ジョーにダウンをとられてしまう。
力石を止めた白木葉子に対してジョーは
「裁判にかけられる俺を氷のように蔑んだ目で見ていたな。なまじ美人なんで応えたぜ」「親切にして、それから俺が感謝しないと怒り出すんだろう」「うわべだけの愛、形だけの親切、いわばすべて偽物だよ!」「お嬢さんは俺たちじゃなくて自分のために慈善事業をやらずにいられないっていうんだろう?」「図星だろう?」と語る。
力石徹はボクシング界への復帰がフイになるかもしれないというのに、白木葉子を侮辱したジョーに勝負を挑むと言いだし、ここで丹下段平がボクシングというスポーツで合法的に勝負を決めることを提案する。
白木葉子もそれに乗り「ボクシングの道具を寄贈します」と言いだす。ジョーはそこでまた「それがあんたのパターンさ」と言う。
「そこにいる手前の飼い犬の強さを確かめたいってだけなんだろう」
ボクシングの提案に応えた力石は、赤黒く輝く太陽を背に、ゆっくりと指を高く掲げ
「1ラウンドじゃねえ。1分だ。その脳タリンを眠らせるのは・・・・・・」
と勝利予告。*1
こうして、一週間後に矢吹丈対力石徹でボクシングの試合が行われることが決まった。
ジョーに久々に再会した丹下段平はトレーニングの結果を確認し「確かに本物だ」と誉める。だが「あの力石って奴は本物だけじゃねえ。大物なんだよ」とまだ先の世界があることを知らせる。
それを実体験させるため、ジョーに「力石のつもりで打ってみろ」と言い打ち合いを始めた段平は、謎の必殺技でジョーを一撃ダウンさせる。
打ちのめされたジョーの叫び声が少年院に響き渡る。
意外にもここでジョーが力石を一度倒しています。とはいえ、制止を聞いた力石に殴りかかるという一方的なもの。
ジョーは「喧嘩では何を言われようと気を抜いた奴が悪いんだ」と言いますが、演出は平板で倒したという印象を残さない。
物理的に勝っていても精神的には勝っていないからですね。
*1:このシーンは非常に有名でしょう。確かに素晴らしく力強い。