終わりが始まる魔法少女まどかマギカ　第8話　「あたしって、ほんとバカ」

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あらすじ

　前回ラストで狂戦士化したさやかは空間もろとも魔女を撃破。そうまでして得たグリーフシードも「借りを作りたくない」と杏子に与えてしまう。まるで死期を悟った人間の身辺整理のようである。

　疲れ果てたさやかは雨の街のトラム駅で休むが、そこに付き添うまどかの「あんなことをして大丈夫なわけがない。見ているだけでも辛い」という気遣いの言葉に対しても「一番才能があるのに何もしないあんたが何を言う」と好意をはねつけて走り去ってしまう。

　一方その頃、杏子とほむらは対ワルプルギスの夜作戦を練っていた。「統計で出現地点は既に知っている」と語るほむらは一体何者なのか？そこにゲームマスター・キュウべえがさやか精神崩壊寸前の情報を持って現れる。

　翌日の放課後。仁美は前回での予告通り上条くんに告白をする。全てを捨てて魔法少女化したさやかは隠れてただじっとそれを聞き、見ていることしかできなかった。

　そして魔女たちの時間である夜。さやかはさらに狂戦士化が進み、魔法エネルギーを急激に消耗させていく。そこに駆けつけたゲームプレーヤー・ほむらは回復のグリーフシードを差し出すが、その好意もまたはねつけてしまう。

　精神崩壊寸前のさやかだが、ふとあることに気がついた。
「ほむらは嘘をついている」
　その予想は当たっていた。彼女はまどかのためだけに戦っているという。
「まどかを苦しめるのなら死になさい」と処刑人と化す狂気のほむら。杏子が救いに割って入ることで脱出には成功。

　街を当てどもなく彷徨うさやかは、偶然電車の中で聞いた女性を使い捨てる男二人の雑談に自らの境遇を重ね、厭世が一線を越えてしまうのであった。

　一方その頃、さやかを救うには天才まどかの魔法少女化しかないと長々語るキュウべえ。それを突然、闇から撃ち殺すほむら。自然と恐怖を覚えるまどか。「何故あなたはそうやって自己犠牲で救おうとするの」とほむらに泣きつかれましても「どこかで会ったことがあるような気がする」と言う位しかできないのであった。

　キュウべえはそれから間もなくリスポーンし、ほむらの能力は「時間操作」であると見破る。この生物は一体何者なのか？

　ほむらはキュウべえの正体が「インキュベータ」であること、その行動を絶対に阻止するという決意を夜空に叫ぶ。

　精神崩壊状態となったさやかは鉄道駅で杏子と合流するが、「ねえ、この世界って守る価値あるの？あたし何の為に戦ってたの？教えてよ。今すぐあんたが教えてよ」との独白の後、答えを待たずして魔女化。

　遠景に魔女化の波動を見ながらの「やがて魔女になる君たちは魔法少女と呼ぶべきだよね」というキュウべえ自身の語りにより大きな謎が一つ解き明かされたところで、次回へ……

回想と感想

　電車の中、ささいなきっかけで私怨と厭世感が一線を越えて超能力無差別殺人を行いそうになるところの些細さが嫌にリアリティを感じさせます。

　「あたしってほんとバカ」シーンでの、救いの無さには涙。打つ手全てが裏目に出て、次の手もそうなると目に見えている状態は辛いだろう……

　まどかとキュウべえのロングショット交渉シーンで手前の光噴水の動きだけで画面を緊張させ続けるのは技術的にクール。『化物語』の終盤エピソード『つばさキャット』での服なびきリピート会話シーンと同様にテクニカルです。

　以上が初見時の感想です。

　この回辺りから、セリフ1つの描き方にさえムダのない隙間ゼロ演出状態が続きます。あらすじ部と感想部の混在傾向も進みます。

　さやかの精神が限界を越えて認識が歪むにつれ世界が段々奇妙に見えてくる表現は「中学生位の時の世界感覚」で感じる切実で不可解で不条理な不安感が出ていて本当に見事。

　キャラクターに寄り添って物語を見るのが得意な方のさやかファン率の高さがようやく分かりました。

　世界ゲームのプレーヤにあたる暁美ほむらはここでようやく本格的に行動開始。説明不足のまま独自判断で大火力を次々と投入するため世界の謎は再び増加傾向へ。

　恐怖と謎を目一杯用意して、登り切ったジェットコースターのような状態で、次回へ！

細か目の感想

「まどか変なポーズ」はこの回に登場。夜の雨の中、トラム駅から走り去るさやかに追いすがろうとして止められた瞬間。

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