World of Tanks で到来した私的戦車ブームを使って積読崩しです!(ガルパン式語尾)
この号はV号パンター戦車の基本的なD・A・G型に加えパンターII、F型から始まり戦車回収車・砲兵観測車・自走砲運搬車・対空戦車はては要塞砲塔とマイナーなものまで派生型をほぼすべて網羅しています。World of Tanks でゲームバランスのために登場する非常にマイナーなヤクトパンターII、G.W.パンターについても概要を掲載。
パンター砲兵観測車とケーリアン(対空戦車)は模型店でプラモデルがよく売られていますが、これでも量産車が存在しないということで今の戦車模型のマニアック具合が分かりました。
訳者の戦車以外のメカニズムに対する知識不足のためか日本語が滅茶苦茶で意味を取りづらい部分が多かったため、同シリーズのNo.30「パンター中戦車1942‐1945」の方を読んだ方が良かったかもしれないですね。
箇条書きメモ
- パンターは異様なほどに車高が高い?車体だけで人の身長を超えている写真あり。ヤクトパンターは非常に被弾しやすいのでは。M4シャーマンさえバカにできません。ソビエト車はどこかが根本的に飛び抜けて優れている。サスペンションの形式?
- T-34の場合、リアに起動輪があって車内にドライブシャフトを通す必要がない。
- パンターから車体の組み立ては「車体上部構造は装甲カラーをボルト止めする構造から溶接に変更」された。旧方式はオーバーホールが容易そうですが、渡河中に水漏れしないのか気になります。
- 上面装甲25mm程度で大口径榴弾に耐えられはしない。ティーガーIの後期型なら40mm装甲になる戦況。そのためか昔読んだ PanzerWrecks*1 で上面に空間装甲っぽく増加装甲を乗っけている車両を見た事があります。(この個体は サイバーホビー 1/35 パンターG初期型 第26装甲連隊イタリア戦線 として模型化)
- 要塞砲塔タイプは製造段階から天板装甲40mm対応。車長用キューポラ廃止してペリスコープのみで打たれ強さを追求。
- パンターG型の改善点の一つで「操縦手ペリスコープに雨樋を追加」というものがあり細かやかさがドイツらしい。
- 車体後方のダンパーに効果が無いと分かったので簡略化のために廃止は大胆。
- 生産後期には赤外線暗視装置を標準装備。ナチスの科学力は世界一ィィィ!
- パンターII は F型 より前に登場。D型の装甲を全体的に足しただけ程度。F型は新砲塔にデザイン変更され、ティーガーII系と共通化
- シュマール・トルム(小砲塔) + ザウコップ (豚鼻型防盾) このデザインは洗練されている印象を持つのだが戦後なぜか消滅した。砲塔内容量不足・防盾の重量・端部に避弾経始が無いエリアが存在するため?
- ゲームで ヤクトパンターII として登場する車両はクルップ社の改善提案。案のみに終わる。デザイン的には ヤクトパンター と エレファント を足して二で割ったようなミッド(フロント?)エンジン・リア戦闘室で上部だけ後方にスライドしている。
- G.W.Panther はクルップ社がデザインした Geschützwagen Panther をモデルにしたものと思われます。武装は 15cm s.F.H.18。もしくは、12.8cm K.44 に対応した12.8cm K44 auf Panther。この車両は巨大化したホイシュレッケで、同様に搭載砲塔を自力で下ろす事ができるのが特徴。砲1門の自走砲としても砲2門を牽引するトラクターとしても使用できるのが利点との事。ドイツ軍はかなり貧乏。
- 12.8cm高初速砲用のマズルブレーキは傘状のリングを3段とした独特なデザイン。
- 砲兵観測車型に搭載された射撃照準装置「ブロックシュテレ0」の動作原理おそらく訳者が意味を理解しないまま直訳したため、全然分かりませんでした‥‥これを製造したキールのアンシュッツ商会は今も射撃用競技銃を製造しているアンシュッツと同じ会社?
- 戦車の構造上必然的に高精度で歪みも少ない砲の照準・砲塔の旋回機構と観測機器を一体化することで指揮精度を高めているらしいという所までは判明。
- 3.7cm対空機関砲搭載型の名前として「ケーリアン」という語は出てこない。これは非公式名称?
*1:AFV模型専門店である四谷仙波堂による解説ページ http://www.sembado.com/PanzerWrecks.html