玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか―その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。
「サイボーグとは何なのか」で「人間とはどういうモノなのか」を考えるのが好きな自分にとって、表題作は最初の2ページで先がほぼ全て割り切れてしまう「キサマ等のいる場所は、我々が既に2000年前に通過した場所だッ」*1としか思えない余りにもシンプルすぎる話で、「ようぐそうとほうとふ」等の言葉の響き以外つまらなかった。
ホラーファンは「サイボーグ」を見たりそれについて考えたことがないのかな?それとも着目点が根本的に違うのか・・・
もう一つの収録作品の「酔歩する男」はタイムトラベル賽の河原の石積みといった具合になる理屈がとても面白かった。
けれど大学を出て研究職についた人間ではない自分には学会の意義や雰囲気が理解できないから、何故学会での発表に執着するのかまるで分からなくて感情を動かすことができず、会話文も英語の教科書の例文みたいなズレた雰囲気なので、普段から英語の教科書を読む作業を仕方なくしている自分は読んでいてひどく眠くなってしまった。
理屈は面白いけど読むのは少し大変に感じるこの作家は自分にはちょっと合わないかな・・・?
にじさん読むのひどく遅くなって申し訳ないです。(私信)