作品としては、天海祐希演ずる最強教師のエキセントリックさや、教師独裁の閉塞感とそれを上手くすり抜けた時の意外性や爽快感が出ていて面白いけれど、最強教師のロジックが自分を神経症にさせているものと全く同じなので、見ていて心のヘンな所のハッチがパカリパカリと開けられて、なぜか涙が出ちゃったよ。
スポーツや芸術の英才教育を受けたわけでもなく、いい大学に入るのも困難で、入ったとしても手遅れ気味な自分は、最早生きていてはいけない人間だが死んでもいけない人間なのです。
「愚か者やなまけものは、差別と不公平に苦しみ
賢いものや努力をしたものは特権を受け豊な人生をおくる
それが社会というもの。
この世で人がうらやむような人生を受けられるのは、
たったの6%
100人のうち6人しか幸せになれない
クラス24人のうち、幸せにになれるのは1人か2人。
残りの94%は、毎日不満をいいながら暮らしていくしかない
その6%にはいりたければ
いい成績を取り、いい大学に入るしかないという。」
「いい大学に入るだけが人生じゃない」という生徒の声
「スポーツや芸術で成功する確率は、もっと低い。
一流になる人間は、小さい頃から英才教育を受け、血のにじむような努力をしている。」
最強教師の行動とロジックが絶対的な正義なのは自明で、だからこそ子供たちは汲々としてしまうという感覚は、今の社会がよく反映された内容だと何となく思う。