設計士の土井武夫氏のカワサキでの仕事歴とテストパイロットたちを中心に、「飛燕」の開発と、性能を十二分に発揮できた戦いを描く。
日本機は故障等つまらない理由が原因でやられてしまうことが余りにも多すぎて悲しくて、イマイチ好きになれなかったので日本機本を読むのは久しぶりです。
今まで「飛燕」は高高度性能と急降下制限速度が良い以外はこれといったところが無い80点主義的な普通の戦闘機という印象しかなかったけれど、この「普通」にたいへんな価値があるということを今更知って感心。
急降下すれば素早く安全に高速域まで加速でき、上昇しようと思えば比較的楽に高高度まで上がれ、旋回勝負になれば米機より上の性能を発揮し、いつでも操縦者の意思通りにスッと動いてピタリと止まる操縦性、当てやすい搭載機銃、航続距離も長く。どれか一つの性能が米機より大幅に上回っているというわけではないけれど、少しづつ優位という雰囲気。
ただ、唯一の弱点の「故障が多い」ということが「救助に来られないような距離の洋上飛行中にエンジンが止まってしまうことも多い」ということとも意味していて、それが怖すぎです。。。。
最後に自分が気に入った信じられないが本当だ的小話を紹介。