放課後は 第二螺旋階段で

筆者の気の向くままに書き連ねアーカイブするクラシックスタイルのblog。カテゴリタグによる分類には力を入れております。ネタバレへの配慮等は基本的にありません。「どうなるもこうなるも、なるようにしかならないのでは?」

「戦闘機「飛燕」技術開発の戦い 日本唯一の液冷傑作機」 碇義朗



Amazon.co.jp: 戦闘機「飛燕」技術開発の戦い―日本唯一の液冷傑作機 (光人社NF文庫)

 設計士の土井武夫氏のカワサキでの仕事歴とテストパイロットたちを中心に、「飛燕」の開発と、性能を十二分に発揮できた戦いを描く。
 
 日本機は故障等つまらない理由が原因でやられてしまうことが余りにも多すぎて悲しくて、イマイチ好きになれなかったので日本機本を読むのは久しぶりです。
 
 今まで「飛燕」は高高度性能と急降下制限速度が良い以外はこれといったところが無い80点主義的な普通の戦闘機という印象しかなかったけれど、この「普通」にたいへんな価値があるということを今更知って感心。
 急降下すれば素早く安全に高速域まで加速でき、上昇しようと思えば比較的楽に高高度まで上がれ、旋回勝負になれば米機より上の性能を発揮し、いつでも操縦者の意思通りにスッと動いてピタリと止まる操縦性、当てやすい搭載機銃、航続距離も長く。どれか一つの性能が米機より大幅に上回っているというわけではないけれど、少しづつ優位という雰囲気。
 ただ、唯一の弱点の「故障が多い」ということが「救助に来られないような距離の洋上飛行中にエンジンが止まってしまうことも多い」ということとも意味していて、それが怖すぎです。。。。



最後に自分が気に入った信じられないが本当だ的小話を紹介。

  • 飛燕開発中、「いい飛行機だな、これをどう育てよう。」と考えごとをしながら操縦していたテストパイロットが足出しを忘れて胴体着陸してしまったことがあった。
  • 川崎で設計指導をしていたドイツの設計士フォークト氏は、ドイツに帰国後「左右非対称偵察機」や「6発飛行艇」等珍機を作り、戦後は米国で「B29の翼端にくっつく長距離護衛戦闘機」や「フライングジープ」等を作っていた。


(ISBN:4769821379)